2020年に読んだ本

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2020年は6作(冊数でいうと8冊)の本を読みました。
Twitterを見てる人達なら察しがつくでしょう。
読んだ本の数より買った本の数の方が圧倒的に多いです。(白目)
年始から『ドクター・スリープ』を読み終えるの勿体ねえ~病にかかってしまって数か月かけて読んでしまったのは原因のひとつですが、職場を辞めることが決まってからは「これは3年間仕事を頑張った自分への退職祝いだヒャーハハハハッッッ!!!!!!!!ついでに経済も回せ!!!!!!!!!!!!!!!」という謎のテンションにより、本を読むことよりも気になった本を端から端まで買うことが快感になっていました。(懺悔)
ですが、本を読んだことには変わらないので胸を張って覚書しておこうと思います。

お決まりになりつつありますが、本の内容に触れたり、本ついて好きも嫌いも良いも悪いも包み隠さず書いているので、私の強い言葉で傷ついてしまう人は絶対に読まない方が良いです。
全部自己責任でお願い致します。

 

スティーヴン・キング白石朗訳(2018)『ドクター・スリープ』文藝春秋
映画版がべらぼうに良かったけど原作もとてもとても良い……!!
原作独自の設定とスペシャルな設定にうわー!!とひっくり返りつつ、映画版と比較しながらじっくり楽しく数か月かけて読んだ。
話の展開は全く違うのに魂は同じ。
スティーヴン・キングの小説は『ダークタワー』シリーズでもそうだったが、マイノリティへの眼差しが素晴らしく、優しくて好きだ。
映画版よりもダニーとアブラの、そしてダニーとビリーの相思相愛っぷりが凄い。
読んでいて照れてしまうくらいお互いへの愛が深い。
恋愛の意味ではない関係で「愛している」を連発するダニー。
日本人はもっと恋人以外の人にも「愛している」を伝えるべき。

宮下奈都(2019)『静かな雨』文藝春秋
中川竜太郎監督が撮った映画版『静かな雨』がとても良かったので読んだ。
読まない方が良かった。
映画版で良いなと思ったところは全部映画として脚色した部分で、小説の中にはどこを探してもそんなものは無かった。
「(鯛焼き屋をやっていくのに)もっと安全な場所のほうがいいんじゃない?女ひとりなんだからさ」って男のお前が言う残酷さが分かるか??????????
同時収録されていた『日をつなぐ』も嫌な空気感が漂い、私にはストレス過多でもう古本屋に売り払いたかった。
もう一生読まねえ。

ヘミングウェイ・高見浩訳(2020)『老人と海』新潮社
老人の寂しい姿に胸を鷲掴みされて読み終わった後に呻いた。
彼の抱える孤独と、この時代に漁師として働いていくことの辛さが重なる。
真面目に仕事をこなしていたとしても、それが良い結果に繋がる保証は無い。
でも挑戦してみないと分からない。
仕事を辞めようかな~と思っている中で読んだこの本の言葉ひとつひとつが胸に刺さる。
このタイミングで読めて良かった。
この本を読んでヘミングウェイめっちゃ良い!となってWikipediaを見て壮絶な最後に絶句した。
どんな心情でこの本を書いたんだ……。

ジェフェリー・ディーヴァー・池田真紀子訳(2003)『ボーン・コレクター文藝春秋
これ学生時代に読んでいたら一気にシリーズ読破していただろうな。
事件の複雑さも素晴らしいけど、何よりリンカーン・ライムとアメリア・サックスの関係性が好き。
これは私が常に求めている「恋愛をしない男女が唯一無二の関係」になるやつだ!!!!!
二人が事件を通して築かれる関係性がパーフェクト過ぎる。
まだ1巻目ということで、首の皮一枚でどうにかこの世と繋がっているリンカーンと、彼の手をタッチの差で掴んだアメリア。
はー、好きです。(語彙力の喪失)
二作目が凄いらしいので、時間を作って読みます。
映画版は登場人物の名前が9割違うのに皆魂が同じなので気にせず観てください。

kemio(2019)『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』KADOKAWA
コロナで疲弊している時に私の好きな俳優が若くしてこの世から去ってしまい、悲しみでどうにかなりそうな私を救ってくれたのは間違いなくこの本。
文章から溢れ出る生命力が凄い、凄すぎる!!!!!!!!
まるで目の前で彼がお喋りをしているようだった。
まだまだ生きにくい世の中を自分らしくカスタマイズして生きていきたい。
今回は単行本で読んだので、文庫版も読みたい。

ジェイムズ・ボールドウィン・川副智子訳(2019)『ビール・ストリートの恋人たち』早川書房
2020年はジョージ・フロイド氏の殺害とBLM運動もあって、黒人が主人公の映画を意識して観たつもりだったけど小説は恥ずかしながらこれが初めて読んだ本だった。
黒人だから、差別をされる。
黒人だから、給料の良い職に就けず容易に家を買うことができない。
黒人だから、道路を歩いているだけなのにジロジロ見られる。
黒人だから、警察官に目を付けられて逮捕される。
黒人だから、見える世界。
全部全部、私が今まで読んできた海外小説には無かったものだった。
最後のページを読み終わった時。
それは私の構築する世界に新しい風が吹いた瞬間だった。



映画は250作分の覚書(2020年に観た映画の感想250本ノック - 百二十年ぽっちの孤独 )をしたのに、本は8冊しか覚書できなくて本当に悔しい。
自分が昨年大量に本を買い込んで積読がやばいことになっているんだぞ!!
わかっているのか!!!!!!(過去の自分に向かって)
2021年はもっともっと本を読みたいです。