2020年に読んだ本

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2020年は6作(冊数でいうと8冊)の本を読みました。
Twitterを見てる人達なら察しがつくでしょう。
読んだ本の数より買った本の数の方が圧倒的に多いです。(白目)
年始から『ドクター・スリープ』を読み終えるの勿体ねえ~病にかかってしまって数か月かけて読んでしまったのは原因のひとつですが、職場を辞めることが決まってからは「これは3年間仕事を頑張った自分への退職祝いだヒャーハハハハッッッ!!!!!!!!ついでに経済も回せ!!!!!!!!!!!!!!!」という謎のテンションにより、本を読むことよりも気になった本を端から端まで買うことが快感になっていました。(懺悔)
ですが、本を読んだことには変わらないので胸を張って覚書しておこうと思います。

お決まりになりつつありますが、本の内容に触れたり、本ついて好きも嫌いも良いも悪いも包み隠さず書いているので、私の強い言葉で傷ついてしまう人は絶対に読まない方が良いです。
全部自己責任でお願い致します。

 

スティーヴン・キング白石朗訳(2018)『ドクター・スリープ』文藝春秋
映画版がべらぼうに良かったけど原作もとてもとても良い……!!
原作独自の設定とスペシャルな設定にうわー!!とひっくり返りつつ、映画版と比較しながらじっくり楽しく数か月かけて読んだ。
話の展開は全く違うのに魂は同じ。
スティーヴン・キングの小説は『ダークタワー』シリーズでもそうだったが、マイノリティへの眼差しが素晴らしく、優しくて好きだ。
映画版よりもダニーとアブラの、そしてダニーとビリーの相思相愛っぷりが凄い。
読んでいて照れてしまうくらいお互いへの愛が深い。
恋愛の意味ではない関係で「愛している」を連発するダニー。
日本人はもっと恋人以外の人にも「愛している」を伝えるべき。

宮下奈都(2019)『静かな雨』文藝春秋
中川竜太郎監督が撮った映画版『静かな雨』がとても良かったので読んだ。
読まない方が良かった。
映画版で良いなと思ったところは全部映画として脚色した部分で、小説の中にはどこを探してもそんなものは無かった。
「(鯛焼き屋をやっていくのに)もっと安全な場所のほうがいいんじゃない?女ひとりなんだからさ」って男のお前が言う残酷さが分かるか??????????
同時収録されていた『日をつなぐ』も嫌な空気感が漂い、私にはストレス過多でもう古本屋に売り払いたかった。
もう一生読まねえ。

ヘミングウェイ・高見浩訳(2020)『老人と海』新潮社
老人の寂しい姿に胸を鷲掴みされて読み終わった後に呻いた。
彼の抱える孤独と、この時代に漁師として働いていくことの辛さが重なる。
真面目に仕事をこなしていたとしても、それが良い結果に繋がる保証は無い。
でも挑戦してみないと分からない。
仕事を辞めようかな~と思っている中で読んだこの本の言葉ひとつひとつが胸に刺さる。
このタイミングで読めて良かった。
この本を読んでヘミングウェイめっちゃ良い!となってWikipediaを見て壮絶な最後に絶句した。
どんな心情でこの本を書いたんだ……。

ジェフェリー・ディーヴァー・池田真紀子訳(2003)『ボーン・コレクター文藝春秋
これ学生時代に読んでいたら一気にシリーズ読破していただろうな。
事件の複雑さも素晴らしいけど、何よりリンカーン・ライムとアメリア・サックスの関係性が好き。
これは私が常に求めている「恋愛をしない男女が唯一無二の関係」になるやつだ!!!!!
二人が事件を通して築かれる関係性がパーフェクト過ぎる。
まだ1巻目ということで、首の皮一枚でどうにかこの世と繋がっているリンカーンと、彼の手をタッチの差で掴んだアメリア。
はー、好きです。(語彙力の喪失)
二作目が凄いらしいので、時間を作って読みます。
映画版は登場人物の名前が9割違うのに皆魂が同じなので気にせず観てください。

kemio(2019)『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』KADOKAWA
コロナで疲弊している時に私の好きな俳優が若くしてこの世から去ってしまい、悲しみでどうにかなりそうな私を救ってくれたのは間違いなくこの本。
文章から溢れ出る生命力が凄い、凄すぎる!!!!!!!!
まるで目の前で彼がお喋りをしているようだった。
まだまだ生きにくい世の中を自分らしくカスタマイズして生きていきたい。
今回は単行本で読んだので、文庫版も読みたい。

ジェイムズ・ボールドウィン・川副智子訳(2019)『ビール・ストリートの恋人たち』早川書房
2020年はジョージ・フロイド氏の殺害とBLM運動もあって、黒人が主人公の映画を意識して観たつもりだったけど小説は恥ずかしながらこれが初めて読んだ本だった。
黒人だから、差別をされる。
黒人だから、給料の良い職に就けず容易に家を買うことができない。
黒人だから、道路を歩いているだけなのにジロジロ見られる。
黒人だから、警察官に目を付けられて逮捕される。
黒人だから、見える世界。
全部全部、私が今まで読んできた海外小説には無かったものだった。
最後のページを読み終わった時。
それは私の構築する世界に新しい風が吹いた瞬間だった。



映画は250作分の覚書(2020年に観た映画の感想250本ノック - 百二十年ぽっちの孤独 )をしたのに、本は8冊しか覚書できなくて本当に悔しい。
自分が昨年大量に本を買い込んで積読がやばいことになっているんだぞ!!
わかっているのか!!!!!!(過去の自分に向かって)
2021年はもっともっと本を読みたいです。

2020年に観た映画の感想250本ノック

明けましておめでとう御座います!
藍住です。
2020年はコロナで映画の公開が延期になったり中止になったり、そもそも映画館が休館したり、映画を日々心の支えにしている人達には辛い一年になりましたね。
私もそうでした。
そんな中、徐々に映画館も営業を再開し、大作映画も無事に公開されたり公開日が決まったり、少しずつ日常が戻ってきたように思います。
年明け早々緊急事態宣言が出てしまいましたが、今年も無理せず!
日本の時代遅れの価値観や制度をぶっ壊していきながら趣味を満喫していきたいです!
後、転職も頑張ります!!(ついでかよ)

さて、昨年は映画館だけでなく、動画配信サービスやレンタルショップYoutube等を利用して色々映画を観たので、覚書も兼ねて端から端まで映画を語ろうと思います!!
全部で250本の映画の話をすることになりますので、寝る前の5分間の暇つぶしに読むか!って方は多分読み終わりません。笑
また、映画のネタバレもありますし、映画について好きも嫌いも良いも悪いも隠さずに全部言っているので、私の強い言葉で傷つく人は絶対に読まない方が良いです。
全部自己責任でお願い致します。
読んでしまってからの苦情等は一切受け付けません。

準備は良いですか!?
行きますよ!?!?!?!?

 


『パラサイト 半地下の家族』
初めましてポン・ジュノ作品!と意気揚々と映画館に足を運んだら本当に凄い映画を観てしまって新年早々再起不能だった。現実と地続きで辛いけど映画としてどこまでも完璧。オスカーで賞獲りまくらないと怒るよ!?ってなってた。獲りまくって良かった。

『フォードVSフェラーリ
なんだこのバディムービーは!?レースでケンが相手を抜くときにかかるサントラが最高だけどもっと最高なのは中盤のレースでズカズカ会場に足を踏み入れて看板掲げるシェルビーと、それを見てエンジン全開にするケンのシーンだよね。

『ペット・セメタリー(2019)』
死んだ生き物を墓場に埋めると生き返ってしまうという映画のはずのに、それ以上にママのトラウマストーリーの方が怖すぎて一体何を観に来ていたんだ私は!?と錯乱した。ジェイソン・クラークの辛い顔が撮りたかったんだなあ。

『ナイス・ガイズ!』
数年前に観たんだけど記憶が無くて再鑑賞。シェーン・ブラックの映画は人がポンポン死ぬけどこの映画も序盤から人が死んでて笑った。ヒーリーとマーチのドタバタをもっと見せて!?仲良く喧嘩しながらまとまっていくのが可愛かった。

『his』
日本でもこういう同性愛の物語が撮れるんだなあと嬉しくて、終盤ずっと泣きながら観ていた。凄く丁寧に作られているのがわかる。マイノリティの私達を居ないことにしてくれて有難う。私はこういう映画が日本で作られることをずっと夢見ていた。

『風の電話』
あの日を経験した人なら分かるであろう苦悩。進まない復興、進行形で山積みしている問題。悲しみを剥き出しにするモトーラ世理奈に圧倒された私はずっと嗚咽していた。私はこの映画を一生忘れないだろう。これは日本人にしか撮れない唯一無二の映画だと思う。観れば分かる。

マイレージ,マイライフ』
ジョージ・クルーニーヴェラ・ファーミガのウルトラハッピームービーなのかと思ってたらマジで辛すぎて混乱した。あ、あんなことする!?!?!?しちゃうの!?!?!?!?!冷や水ぶっかけるような演出……ホラー映画じゃん。

『グッドライアー 偽りのゲーム』
後半の展開に見事に振り回された。だまし合いのゲームなんてそんな生易しいものじゃない。イアン・マッケランヘレン・ミレンの演技の殴り合いが凄かった……。脚本はまあまあだけどポリコレがしっかりしてるので加点しまくり。

ジョジョ・ラビット』
私はこの映画、ドイツ語で撮ってほしかった派なのでその辺はあまり支持できないけど、作中の「Fu*k You!!!!!Hitler!!!!!!」の言葉の力強さのための英語なのかな、と思った。子供の目線で見た戦争。あそこからどんな未来を歩んでいくんだろう?

『ナイブズ・アウト』
初見のコンディションが悪すぎて気絶して、途中起きたけど犯人を知りたくなくて二度寝をキメたという。(最悪じゃん)後で観返したら脚本がうますぎて吃驚した。私はブランとエリオット警部補で元気に妄想してるんだけど、皆さんはどうですか?

『ラストレター』
2020年にもなって何だこの時代に遅れまくった映画は?端から端まで最悪だけど自分の仕事のためにボルゾイ2匹勝手に飼って用が済んだら妻に押し付ける夫もその後「飼えないなら保健所に連れて行く」って言う妻も最悪。倫理観どうした?一生観ない。

『1917』
長回しで撮ったようなカメラワークはとにかく凄かったけど、全っっっ然ハマらなかったな……。前半に切った主人公の手が気になりすぎて集中できなかったのもあるかもしれない。そのうち再挑戦します。

『9人の翻訳家』
すっ、凄い言語映画を観てしまった……!!伏線の貼り方と回収があまりにも完璧で震えるほど面白かった……!!!!!『メッセージ』で言語は武器になるって明示していたけど、それを見事に表現してみせるシーンが良かった。

『静かな雨』
行さんとこよみさんの愛おしい日々。眠る度にこよみさんの記憶がリセットされたとしても、同じ毎日なんてない。誰かと一緒に生きていく。相手を想う時の優しさや人生の輝きに何度でも泣いてしまう。

コンテイジョン
コロナを想定させるようなパンデミック映画。あまりにも現実そのままで背筋が凍った。端から端まで豪華なキャストだけど、無差別にどんどん死んでいくので油断ならない。誰かを助けたいと伸ばした手にウイルスが付いていたとしたら?

ファイト・クラブ
ブラピの映画の中で観るのを先延ばしにしていた映画。満を持して観たけど全然すきじゃなかった。この頃からブラピはセクシーを背負ってるのかと思うと何とも言えない気持ちになるけど。エドワード・ノートン劇場は最高。

『ミッド・サマー』
アリ・アスター監督はマジで次回作でどう出るかによって立ち位置が決まるんだろうな。完全に個人的な物語。上手くできてるとは思うけど、恋愛が分からない私にはちょっと理解できなかった。『ヘレディタリー/継承』の方が好き。

『スキャンダル』
世の中色々な考えを持った人間がいるのだから連帯ができなくて当たり前だ。敢えてそこを突いたこの映画に敬意を表したい。女に生まれただけでこんなに酷い目に遭っている。私達はそんな地獄を生きている。でも、辛いだけでは終わらせられない。

チャーリーズ・エンジェル(2019)』
女の子が自分の得意分野を生かしながら一致団結して大暴れするこの映画が好きだ~~~!!色々な衣装に変わるのも素敵だし、アクションもがっつり見せてくれるし、しかもエンドロールまでオマケがいっぱい!!見事なリブート作品!!続編作ってくれ!!

『黒い司法 0%からの奇跡』
黒人に生まれただけなのに、最初から犯罪者のように扱われて、私は完全に第三者の目線で見ているからおかしいだろ?と怒りに震えるけど、それがアメリカでは日常茶飯事なのだと知る。あのタイミングで公開されて本当に良かったと思う。

スーパーチューズデー 正義を売った日』
ジョージ・クルーニーの演技は好きだけど、監督作は全然好きじゃないんだな~と腑に落ちてしまった。ライアン・ゴズリングをホラー映画のような演出で撮るところ面白すぎるけど普通に怖いので何!?!?ってなる。後味は最悪です。

シックス・センス
散々ネタバレしまくって(ネタバレしてきた人達許さん)観るのを先延ばしにしていたこの映画をやっと観た。シャマラン監督の取るブルース・ウィリスが好きだなあ。トニ・コレット、若い時から演技が確立されすぎてて最高。

『野生の呼び声(2020)』
オマール・シーが出演しているということで観た。リアルとアニメの丁度真ん中を狙ってデザインされた犬が私は好きだったけど、ダメな人はダメだろうな~と思う。ラストは意外な展開。時代が栄えれば栄えるほど比例して消えていった文化の数々。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』
先に『ゴーストランドの惨劇』を観ているので既視感を覚えたけど嫌いじゃなかった。幽霊というよりもクリーチャーのあれやこれが怖すぎてお化け屋敷のような映画。結末はちょっとだけ希望があるけど。時代的に心から喜べないのが辛い。

『名もなき生涯』
観終わった後、席から立てなかった。私が観たい映画はこれだった。フランツの「ヒトラーに忠誠を誓わない」という信念とそれを強く肯定したファニの愛。フランツが対峙したナチスドイツの判事の表情の変化。希望だと思いたい。

『レ・ミセラブル(2019)』
2020年の賞レースで『パラサイト 半地下の家族』と接戦だったんだろうなって思うし、両方観た今でもどっちが優れているとか決められない。一人だけが何かを変えようと奔走しても世界は変わらない。この映画から溢れる怒りの炎。本当に凄かった。

ボーン・アイデンティティー
突然始まったボーンシリーズマラソン。数年前に観た時はピンと来ていなかったのに、観直したら結構面白かった。マット・デイモンの寡黙な演技がハマってる。(オーシャンズシリーズの印象が強かったから余計にそう思う)アクションシーンの重さが良い。

『クロールー凶暴領域ー』
めちゃくちゃ良かった~!!挫折を経験した主人公がワニと向き合うことで自分を見つめ直す構成が最高。噛まれた後の足の傷が痛すぎて顔を顰めながら観ていたけど良かった。犬も無事です。

『神と共に 第一章:罪と罰
確かこの時何かのせいでメンタルがどん底になってしまって非常にまずかったんだけど、この映画を観て爆速でメンタル回復した記憶がある。おっ、面白かった~!!あのビュンッ!って移動するのが良いよね。愉快な地獄巡り。

ボーン・スプレマシー
嘘だろ!?マリー……!!!!!!!(絶叫)その辺りは全く許せないんだけど、マリーと過ごした時間がジェイソン・ボーンの心を満たしていったことを考えるとめちゃくちゃグッとくる。でも泣く。1作目よりも断然面白かった。

ボーン・アルティメイタム
2作目のラストシーンがどこに来るんだろう?と思っていたら最高のタイミングで来てうぉおおあおああああああ!!!!!!!!と暴れた。ラストシーンまで夢中になって観た。3作目の面白さが天元突破してて最高。

地獄の黙示録 ファイナル・カット』
IMAXで観た。良い音響と鮮明な映像で観ると絶望感が強い。ウィラードのモノローグに感情がかき乱された。ベトナム戦争……なんでやっちゃったの?そういえば、なんか遺影みたいな監督の写真がプリントされたクリアファイルを貰った。(余談)

『神と共に 第二章:因と縁』
1作目で気になりまくっていたキャラクターの関係性がこれでもか!!ってくらい明らかにされて、私は一体何を観ているのだ!?!?ちょっと過去を辿るシーンのバランスをもう少し考えてほしかったけど、私は好きです。続編!!待ってる!!

『オキュラス/怨霊鏡』
絶望が『ダークナイト』よりも強くて心が折れそうだった。最悪すぎる痛いシーンがあってリアルに口を手で押さえて悲鳴を上げてしまった。別の記事でも触れたけどカレン・ギランのポニーテールが美しくて恐ろしい。マイク・フラナガン監督、天才。

ジェイソン・ボーン
あんなに綺麗に完結していたジャイソン・ボーンシリーズの満を持しての続編ということで。あまり期待していなかったけど、これ絶対制作しない方が良かったよ。どうしてハリウッドは自ら築き上げたものを軽率に崩してしまうんだ……???????

『サイレンス』
ホラー映画じゃないマイク・フラナガン監督の過去作品。良かった。これは完全にアイディア勝ちだと思う。耳が不自由な俳優が手話で思いきり演技をしているところが観たかったとは思うけど、それ以外は素晴らしい。これまた痛いシーンが満載なので注意。

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
行ったり来たりする時系列に困惑しながら、でもこれはハーレイの視点で見る日常なんだと思ったら納得した。どんだけ混沌とした世界でも、子供は絶対大人が守る!!って言う悪いヒロインがいるDC映画を愛すし推したい。

『ジュディ 虹の彼方に』
命を削るような歌唱シーンが本当に苦しくて、でも素晴らしくて、でもやっぱりキツかった……。誰かを犠牲にして築き上げたハリウッドの黄金時代なんてクソだ。この映画を観る前に『オズの魔法使い』を観ておけば良かった。

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
アデルの楽曲の使い方が完璧過ぎる。グザヴィエ・ドラン監督の映画の中で一番大衆向きに作られたのでは?評価的にはボロボロだったらしいけど私は好き。しんどい気持ちで終わらないから。というか、評論家たちは彼に一生辛い映画を撮ってほしいわけ?

『マリアンヌ』
満を持して自室で(重要)観た。想像以上に良かった。世界では叶わないことがたくさんあって、それでも夢を見ることは止められなくて、マックスが最後の最後で夢を叶えたあの後ろ姿が目に焼き付いている。観てから大分経った今でも寂しいよ。

『2ガンズ』
デンゼル・ワシントンマーク・ウォールバーグが喧嘩したり仕事したり喧嘩したり絆を深めたりするところが最高。荒野?の真ん中で取っ組み合いして「3で離せよ!!俺も離すから!!絶対離せよ!!!!!」ってコントし出すの面白すぎて腹筋が逝った。

12人の怒れる男(2007)』
なんとなく非英語圏の映画が観たくて観たけど、素晴らしすぎるリメイク作品で呻いた。元の映画は観てる。が、それを遥か上を行く面白さとしんどさだった。是非『T-34』でロシアの映画が好きになった人は観てほしい。

ガリーボーイ』
これを当時映画館で観なかった私。はっ倒したい。ムラドがラップの楽しさを知って成長していく過程は胸が熱くなるし、何よりシェールとの関係性もサフィナとの関係性も心地よくて好きだった。ラストのライブシーンとか超歓声上げながら観ちゃった。

『12か月の未来図』
フランス映画はここ数年「教師が学校嫌いな生徒に本を通じて寄り添い、生徒の新しい扉を開く」系の映画を量産しすぎて遂に質が落ちてきたな、と思った。観ていてうげえっと思うシーンもあったりして好きじゃない。

『未来を生きる君たちへ』
スサンネ・ビア監督がアカデミー賞外国語映画賞をもぎ取った作品。素晴らしかった。例え絶望することがあったとしても、人間は何度でも変われる。連鎖する暴力との向き合い方と人間の可能性を真摯に撮ったこの映画が好きだ。

『ワウンズ~呪われたメッセージ~』
アミー・ハマーとダコタ・ジョンソンのホラーだけど、これはホラー映画なのか?分からない。というか、怖い描写よりも画面いっぱいに出てくるゴキブリがやばすぎてドン引きしているうちに終わった。ラストのアーミー・ハマーの顔は面白いです。

『バイバイマン』
これは……『オキュラス/怨霊鏡』の親戚ですか??????設定とか面白かったけど、『オキュラス/怨霊鏡』の方が絶望が強すぎて、どれもこれも印象が薄い。もう少しオリジナリティが欲しかったな~。

アメイジングスパイダーマン
アンドリュー・ガーフィールドのピーター・パーカーも素敵だな!!トム・ホランドスパイダーマンシリーズよりも「隣人」らしさが強調されていて好き。スパイダーマンがピンチの時に支える市民達の構図が良い。2作目は怖くて未見です。

スクール・オブ・ロック
ジャック・ブラックが絶好調すぎて笑った。教員免許持ってないのに教職に就いて好きかってやる前半は好きじゃないけど、子供達と音楽を通じて仲良くなっていくのは良かったよね。エンドロールはアドリブらしいけど全メンバーの紹介はしてくれ。

『イン・ザ・トール・グラス』
入ると絶対に出られない草むら選手権をやったら凶悪すぎてこの映画が多分一位です。(そんな選手権はない)なんとしてでも道路に出るために色々試行錯誤するくだりは面白い。多分宗教をベースにしている。

『サプライズ』
割りと面白いって聞いてたけど、これはどういうテンションで観れば良いんだ!?と混乱してしまったため、最後までノれなかったな~!!アクティブな主人公は格好良かったけども。ラストの締め方を観ると、多分コメディなのかな。

『トリプル・フロンティア』
こんな豪華なキャストでこんなドス黒い映画作っちゃって良いの??????困惑しました。このチャーリー・ハナム、何を考えているのか分からない真顔が怖くてビビる。掌で踊らされていたのは俺か、お前か。

『Shadowed』
『Lights out』
『Cam Closer』
『Pictured』
『Not So Fast』
『Coffer』
『See You Soon』
『Attic Panic』※全て原題
YouTubeにあるデヴィッド・F・サンドバーグ(『シャザム!』の監督)のショートホラーフィルム集。確かコロナ禍で自宅で制作したのが『Shadowed』で、それをきっかけに端から端まで観たんだけど、マジで天才過ぎる。圧倒的センスの塊。観れば分かる。

モーグリ
クリスチャン・ベールがバキーラをやってると聞いて観た。モーションキャプチャーで撮ったらしいけどキャラデザが動物のはずなのに人間っぽくて物語に集中できなかった。多分目と目の距離が人間なんだよな。クリスチャン・ベールの声の演技は良い。

『エクリプス』
Twitterで話題の本当にあった怖い話をベースにしたホラー映画。主人公の置かれている境遇が辛すぎて怖いって思うよりも先に辛いの気持ちが勝ってしまって、私は一体何を観てるんだ?の気持ちに。ラストに実際の写真と照らし合わせる所が最強に怖い。

SUPER 8/スーパーエイト』
未知なる生物との出逢いと青春の輝きをぎゅっと詰め込んだこの映画が好きだよ。このカイル・チャンドラー凄く良かった!!カイル・チャンドラーに「誰かを愛おしく思いながらハグをする演技」をやらせたら右に出る者は居ない。

『テリファイド』
アルゼンチン産のホラー映画。最悪な理不尽ホラーを観て心底怯える。ベッドの下にいるアレがヤバすぎて、うわああああ!!って声に出してしまった。公用語が英語じゃない国のホラー映画ってその国の生活が凄く身近に見えて良いなと思う。

『ビートー心を解き放てー』
テーマがブレすぎてて途中まで最初から主人公の視点だけで良かったのでは?と思うけど、後半からは良い。最後の5分間が希望で好きだったな。「(学校に通わせて射殺されるよりも)息子を18歳まで生かす方が大事」の言葉の重みを考える。

『XX』
女性監督達によるショートホラーフィルム集。個性豊かで比較しながら観るのは楽しかった。が、面白いか?と言われると微妙なところ。合間に挟まれるストップモーション?のアニメが良い。

ゴジラ(1954)』
戦後10年以内に特撮技術を駆使してこんな映画を撮った本多猪四郎は凄い。これは敗戦した日本人だからこそ撮れたものだと思うし、こういう映画は今を生きる私達には一生撮れない。鉄塔が倒れる中、最後まで中継をしていた人達の別れの挨拶が悲しかった。

『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』
誰かと時間を共有して、変化して、少しずつ前を向いていくところが大好き。好きなシーンはいっぱいあるけど、私はエリーが差別的な言葉を投げられているのを見て怒るポールのシーンでもう泣いてた。ポールがエリーのパパと餃子を作るシーンも良いよね。

ブラック・レイン
松田優作の話をするけど、私は断然マイケル・ダグラス高倉健。ラストシーンとかさあ、もう愛だよ。愛。2人が向き合ってうどん啜るシーンが好きすぎて壁にプリントした写真を貼ってる。日本の謎の慣習が迷惑かけて御免なさい映画。

メメント
ノーランの初期作を観よう会(同時再生会)を開催して見事にメンタルが粉砕した映画。この頃のクリストファー・ノーラン、世界を滅ぼしそうな感じが強くて希望が一切無いから私の好みじゃないなあと思った。

プレステージ
ノーランの初期作を観よう会第二弾を開催して『メメント』と同じくらいメンタルがやられた映画。観た後友人に即電話して「辛い……辛すぎる……」しか言えなかったのがまた辛かった。ヒュー・ジャックマンにこういうのやらせたら1億倍辛い。

『Doodlebug』※原題
クリストファー・ノーラン監督が若い時に撮ったショートフィルム。この映画の雰囲気が『プレステージ』辺りまで続いたんだな~。凄くシュールだけど、彼らしい仕掛けもあったので、観て良かった。YouTubeにあるよ~。

ボーン・コレクター
デンゼル・ワシントンアンジェリーナ・ジョリーの最高のバディムービーで心の底から高揚した。ミステリー映画としても素晴らしい。死んでもいいと思っていたリンカーンアメリアと出逢って生きる活力が再び芽生え始めていく所が好き。ラストも良い。

『ハイ・フライング・バードー目指せバスケの頂点ー』
スティーヴン・ソダーバーグってアイディアとセンスの鬼なんだな~と圧倒されまくっているうちに終わってた。NBAの仕組みを全く知らずに観たので、完全に作中の置いてけぼりを食らった人達を同じ視点で観ていたという。アンドレホランドは最高です。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
色々なバージョンがあるとは聞いていたけど、まずは通常版を観た。面白い!!序盤の戦闘シーンから目が釘付けだった。戦争が無ければ友達になれたかもしれないけど、戦争が無ければ出逢えなかった人間と人間の関係が好きな私には真っ直ぐ届いた。

『アス』
ジョーダン・ピール監督はマジでホラーと皮肉を絶妙なバランスで完璧に撮ってみせるからもう好き!!!!!!としか言えなかった。色々な考察を読み漁って、「そういうこと!?!!?」と驚愕したり。何通りも解釈ができる映画は本当に面白い。

『タイラー・レイクー命の奪還ー』
クリス・ヘムズワースジェイソン・ボーンをやりたかったんだなあと思った。(違うかもだけど)物語よりもぶっ飛んだメイキングの方が1億倍面白くて逆にどうした?最後の最後で持っていくゴルシフテ・ファラハニが格好良すぎる。

『ブラインドスポッティング』
完全にやられた。こんなに完璧な映画はない。物語はどこまでも現実に繋がっていて苦しいけど、ラストシーンの力強さも、主演の2人が一緒に脚本を書いたことも、全部希望だと思う。私が死んだらこの映画も一緒に棺に入れてくれ。お願いだ。

俺たちは天使じゃない
ロバート・デ・ニーロショーン・ペンという演技が上手い男と男がコメディ映画で全力を出したら凄い化学変化を起こすって決まってるんだわ。展開も読めるしありがちっちゃあありがちなんだけど、頭一つ分突き抜けてるのは主演2人のおかげ。

ダヴィンチ・コード
映画の中でやってることが完全に私が大学時代に散々やってきたことなので、観ていて面白かった。皆が色々な解釈をする度に「成程ね!?」と振り回されていた。ラングドンとソフィーの関係性を確かめるために観たけど、恋愛にならない2人。良かった。

500ページの夢の束
オタクとオタクが一瞬で好きを共有して仲良くなるところが最高過ぎてガッツポーズしてしまった。人は何故物語を語るのか?その答えがこの映画の中で明確にされてて良かったし、立派な言語映画で私は大好き。ダコタ・ファニング素晴らしすぎる。

『聖杯たちの騎士』
『名もなき生涯』と『ツリー・オブ・ライフ』を大事にしている私の根幹を揺るがす最悪な映画。私が観たいのは俳優が表情と全身を使って演技している姿であってモノローグじゃあないんだよな。一生観ない。異性愛主義クソくらえ!!!!!!!

『ババドック』
ひとりで育児をしている母親の姿が辛すぎるのに、そこにホラー要素が加わってくるから精神が不安になり過ぎて参った。ラストの展開は昨今のハリウッドが作るホラー映画の流れを完全に否定したのは良かった。

ぼくの名前はズッキーニ
60分しかないのに、世の中の理不尽さ、息苦しさ、人間の優しさ、他者への愛情、全部詰まっていて顔をグッチャグチャにして泣いた。子供達は等しく子供らしく生きてほしい。それだけなのに。あのラストの後、施設にいる子供達全員幸せになってほしい。

『素敵なウソの恋まじない』
ダスティン・ホフマンってこういうかわいらしい恋愛映画にも出るんだな~。自宅で亀(といってもリクガメではないんだけど)を飼っているので、亀だらけの部屋を見てニコニコしてしまった。

『ホワイトボイス』
風刺が効きまくっててグサグサ心に刺さると思ったら後半でいきなりジェットコースター発進しちゃってそのまま混沌とした世界にぶち込まれてもう凄いもん観た。ラキース・スタンフィールドとテッサ・トンプソンが共演してると聞いて観たらこのザマよ。

AKIRAIMAX版)』
序盤で「アキラって君じゃないの!?」と多分皆が経験したことを私もそのまま経験して笑った。これ原作も履修するまでがセットなんだろうな。動きがエグすぎて当時のアニメーション業界どこもかしこも鬼しかいないのか。ちゃんと給料払ってんだろうな?

『インペリアル・ドリーム』
BLM運動から盛んになって黒人が主役の映画を観ようと思って観たのがこれ。出所したばかりの黒人が再就職しようと思ってもできない現実。この矛盾を正さなければ。「ヤクを運べば4000ドルくれるって」「すげえな。3000ドルあれば大学に行けるぜ」

『囚われた国家』
おっ、面白かった……!!デモ活動が活発化しているタイミングで観たから、凄くタイムリーな映画だと思った。途方もないことだとしても私達がやるしかない。やるしかないんだ。もうラストシーンが全て。反撃開始だ!!!!!!!

『ワインは期待と現実の味』
ワインソムリエってお金も時間も膨大にかかるのに合格するのが凄く難しい。しかも主人公は黒人でお金の余裕も無くて、そんな苦しいことある?ってくらい苦しいけどイライジャが選んだ結末を私は一生尊敬する。ママドゥ・アティエは本当に演技が上手い。

『サムワン・グレート~輝く人に~』
観た後友達に会いに行きたくなった。めちゃくちゃ良かった!!ガールズパワーが天元突破してて元気貰える!!ラキース・スタンフィールドの言うつもりはなかったのに愛おしすぎて思わず「愛してる」を言っちゃったシーンの演技が上手すぎるので皆観て。

『シュガーランドの亡霊たち』
ISISに魅了されて行ってしまった黒人の友人の話をするドキュメンタリー映画。20分弱しかないのに、心臓に冷や水をぶっかけるような本当の話。辛かった……。もう行ってしまってからでは遅いのだ。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
ラストシーンで座席から転げ落ちそうになった。凄かった……!!とは思うけど、グレタ・ガーウィグとは気が合わないかもしれないとも思った。次回作で応援するかしないか決まるだろうな。私は色々な人種で構成された4姉妹の『若草物語』が観たい。

『ルース・エドガー』
黒人がアメリカで生き残るために「完璧な黒人」を演じて捨ててきたもの。ケルヴィン・ハリソン・ジュニアはどこまで昇り詰めるんだ……!!映画があまりにも完璧すぎて、私は映画の前でただのサンドバックでしかなかった。凄い。凄すぎる。

『娘は戦場で生まれた』
ありのままを映し出し、剥き出しの映像を観てショックで涙も出なかった。生き物が物体になる瞬間。ワアドの「私達の動画を世界は観ているはずなのに、誰も助けてくれない(意訳)」という言葉を一生忘れない。その中には無知な私も入っているのだから。

『SKIN 短編』
レイシストをやめなかった男の剥き出しの差別と暴力とその結末。短編だからこそストレートに問いかけてくる。私はその場から動くことができなかった。自分が強いことを証明するために誰かを差別して、傷つけて。それって本当の強さなんかじゃない。

『デッド・ドント・ダイ』
半分過ぎた所で寝てエンドロールを迎えて、2回目再チャレンジしたら序盤から1回目で寝落ちしたところまで気絶してて、カフェインがぶ飲みしても眠かったゾンビ映画。私があの世界でゾンビになったら推しの名前を連呼しながら彷徨うんだろうな。

『10クローバー・フィールド・レーン』
そんなに期待せずに観たら最高過ぎて自宅で大暴れした大賞1位受賞!!!!!!楽しかった!『クローバーフィールド』がふーーーんな映画だったので、余計に株が爆上がりした。めちゃくちゃフェミニズム映画だからこれ!!皆観てくれ!!!!!

クローバーフィールドパラドックス
私は最高じゃん!?!?!?ってなったんだけど、世間の評価が低すぎて「なんで!?!?!!?」ってなった。全世界共通の言語として英語の他に中国語が加わった世界という意欲的な言語映画だとも思うので観てくれ~!!楽しいよ!!!!!!

『ダ・ファイブ・ブラッズ』
アメリカでは差別される黒人が、ベトナムでは差別をする側になってしまうという構図。戦争を経験した世代、戦争を経験した世代の負の遺産を背負う世代、どこまでも断絶している。でもラストシーンには救いはあったかな、と思う。

『天下無敵のジェシカ・ジェームズ』
ジェシカがポジティブ人間なので、その姿勢にパワーを貰ったり救われたり。失恋してウダウダしながら模索する所が最高。『サムワン・グレート~輝く人に~』に続く主人公を振っちゃうラキース・スタンフィールドが観られます。

『スウィング・キッズ』
タップダンスに夢中になって、仲間が増えて、絆を深めて、力いっぱい踊り切った後にあのシーン。辛い。辛すぎる。あっという間に築いたものが崩れ落ちて、私はどうすればいいのか分からない。もう一生観ないかもしれない。

『もみの家』
真白の恋』で心を奪われた坂本欣弘監督の最新作。良かった!血が繋がっている親子だから一緒に居なくても良いし、周りに合わせて無理する必要もない。自分らしく生きるということ。それを肯定してくれて嬉しかった。前作よりも1億倍好き。

『15年後のラブレター』
イーサン・ホークとクリス・オダウド、どちらも素敵な俳優なのにダメ男過ぎてどっちを選んでもキツイよ~と思っていたら最高の選択肢をもぎ取っててローズ・バーン!!最高だ!!!!!!ガッツポーズしたくなっちゃった。

『ドクター・ドリトル(2020)』
私が観たかったのはこういう演技をするロバート・ダウニー・Jr.だったわ……。年単位で待ってたよ。真っ直ぐすぎる脚本を個性豊かな俳優たちが見事に演技で引っ張って駆け抜けてみせたのが本当に凄い。

プリデスティネーション
観終わって「えええええ!?!?!?!?」ってなったけど、今観るとアウトな点が多すぎて私は支持できない。後、脚本よく練られてて凄いのに「だから何を伝えたかったんだこの映画は?」ってなってしまってダメです。もう観ない。

『7500』
ワンシチュエーションスリラー映画。ステレオタイプなテロリスト達。いい加減そういう偏った描き方は止めたらどうか?『キャプテン・フィリップス』で終わったと思ったのにまた出たよこれ。もう2020年だが?ジョセフ・ゴードン=レヴィットは良かった。

『Resurface:波に包まれて』
PTSDに苦しむ帰還兵たちのよりどころがサーフィンだったという短編ドキュメンタリー映画。戦地から生きて帰国したのに、死ぬことの方がずっと楽だと笑う彼らを観てなんにも言えなかった。退役軍人が1日に自殺する人数の多さよ。絶句した。

『アルゴ』
映画としてはよくできているけど、今観たら完全に『グリーンブック』案件で頭を抱えた。エンタメ作品として消化することの恐ろしさ。これが当時は賞を獲っちゃったんだもんな……。そっか~~~~。

ナイチンゲール
レイプされて家族を失った主人公が復讐の旅に出るけど、そんな彼女もある一面ではレイシストになるという。一生観られない。レイプされるシーンを体当たりで演じて評価されるよりも見せなくても何があったか分かる演技が評価される世界になって欲しい。

風の谷のナウシカ
映画館で生まれて初めて観た!!この映画を観れば観るほど、人間ってなんで生まれてしまったんだろうな……と思ってしまう。武器を持たずに対話をする姿勢を貫くナウシカが格好良すぎて泣いた。空を飛ぶシーンは美しかった。

『SKIN/スキン』
短編映画だけで良かったのではないか!?尺が増えて物語に肉付けされたせいか、短編映画のような余韻はどこにも無かったし、今作で白人に焦点を当てたことによって白人も辛いよ映画になってしまっている。短編映画とセットにして観ることに意味がある。

もののけ姫
良い音響で浴びる「アシタカせっ記」が身体に染み入り過ぎて開始数秒で泣いてしまった。偶々呪いを貰い、自分の意志に関係なく村を出たアシタカが、自分で決断し、森のために常に最善の策を選び取ろうと努力し続けるようになる。変化することの強さ。

風立ちぬ
激動の時間の中で一瞬を愛しぬいた二郎と菜穂子。当時はあまりハマらなかったところも、原作を読んだせいなのか、少しだけ視界がクリアになって分かったような気がした。幸せそうに笑う2人を観て私が泣きたかった。

ハウルの動く城
今観ると、木村拓哉声の演技上手すぎない??????当時はあんまり好きじゃなかった記憶があるんだけど、今観るとあまりにもハウルで当時の私の見る目は節穴だな?と思った。後付けしたような戦争の話が最後まで足を引っ張っているのが惜しい。

ディストピア パンドラの少女』
ちょっとカラーが違うゾンビ映画。めちゃくちゃ良かった。生きるために偶々人間の肉しか食べられない彼らと、日々家畜を殺して肉を食べて生きる私達。何が違うのか?あのラストシーンを私は強く推したい。

ソニック・ザ・ムービー』
ソニックはアニメを少し観た程度だったけど初見にも優しい作りが嬉しい。家族が欲しいソニックと孤独でも平気なロボトニックの究極の戦い。私が観た回にソニックファンのグループが居て彼らは終始笑ってて私もつられて笑ってた。忘れられない映画体験。

千と千尋の神隠し
この映画は大人になってからの方が1億倍も刺さる。知らない場所でスタートを切る怖さと、そこで努力を続けたことで得る喜び。それら全部私が知っていることでだった。嗚咽していた。千尋が後ろを振り返らずに前へと進むシーンは一生忘れられないな。

『6才のボクが、大人になるまで』
同じキャストで12年かけて撮ったことがこの映画の強みであり、個性だけど、12年かけたためにゲイをいじったりとか、そういう古くさい表現が目立って映画に集中できなかった。ママの「子育て終わったら私の葬式しかないじゃない」って言葉キツ過ぎんか。

リンカーン弁護士
司法を絶対的なものとして信じているからこその戦法に「うっ、うわ~~~!?!?!?!?」とひっくり返りそうになった。面白い。面白すぎる法定映画だ!!マシュー・マコノヘイの隠さない怒りの演技が素晴らしいよね。

『透明人間(2019)』
「酷いことをされるシーンを見せなくても何があったかわかる演技」を見事にやってみせるエリザベス・モス!!!!!素晴らしかった……!!!!!!私が求めていたのはこれです!!これ!!!!!全員見習え!!!!!!!!!!

『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
農場を一から作り上げることの苦悩。問題を一つずつ解決して、自然のサイクルに溶け込んでいくところがフィクションじゃないから凄い!観終わった後、農場は作れないけど自分も何か育てたい!と思い、そのテンションで朝顔の種を植えた。

『オールド・ガード』
2020年というドン底の世界に革命を起こしてくれて有難う!!!!!!!!いや~もう本当に凄かった。世界のあちこちで革命を起こす歴史的瞬間に立ち会えて嬉しかった~!!この映画が無かったら私は乗り切れなかっただろう。続編待ってるよ!!!!!

ダークナイトIMAX版)』
何年ぶりかのリバイバル上映。久しぶりに観たら絶望感が強すぎてボコボコにされてしまった。もう何回も観ているのに!!辛すぎて帰宅してマッハで『ダークナイト ライジング』を観た。絶望は笑いながらやって来るんだぜ。

WAVES/ウェイブズ』
父親に認めてもらうために頑張ってトレーニングしたのに身体を壊して、悔しさで涙を我慢するあのシーンで私のメンタルは折れた。最近のハリウッド映画は有害な父親と向き合おうとしてていいなあと思うけど、この映画はあまり好きじゃなかったな。

思い出のマーニー
全っっっ然面白くなかったな……。思春期の子供をどう描きたかったの?後、声優じゃない俳優が声の演技をすると途端に違和感が出るのは「わよ」「のよ」「だわ」を普段使わないのに言わされてるからなんだろうな。一生観ない。

『シライサン』
乙一が本名でホラー映画監督デビューということで!これ映画館で観たらもっと物語に没入で来て面白く観られたんだろうな~!でも乙一カラー全開で悪くはなかった。飯豊まりえは輝きまくってて良かった。

『任侠学園』
公安警察とか妻を亡くした男とかそういう役ばかりやっていた西島秀俊が今度はヤクザかよ~と思ったけど、逆手に取ったキャラクターなのが良かった。伊藤淳史が隣りにいると伸び伸び演技してて良いよね。エンドロールまでオマケがいっぱい!楽しい!!

『ライド・ライク・ア・ガール』
競馬大会で初めて女性騎手が優勝した実話を基にしているのに、脚本が雑すぎてめちゃくちゃ残念だった。もっと、なんかこう、上手くやれたのでは……。レースのシーンが最高だっただけに余計にそう思う。シーアの楽曲を雑に使ってて笑った。

『パニックルーム』
ワンシチュエーションでここまでやるなんて、凄いサスペンス映画だ!今観てみると、この映画の脚本は面白いだけでなく、黒人差別を意識していると思う。フォレスト・ウィテカーが演じた犯人グループの彼のこと、今なら少し分かる気がする。

メタルヘッド
全然面白くなかった。この映画全体を通して一体何が言いたかったの?この監督は女性になんか恨みでもあるのか?ってくらい、皆女性を侮辱する言葉をポンポン投げて。ナタリー・ポートマンも制作陣に名前を連ねてるし、正気か?

『ブラック・アンド・ブルー』
開始5分で今のアメリカの白人警官が抱える問題が露呈する。黒人のコミュニティからも白人警官からも仲間外れにされ、どちらにも属せない黒人の女性警官が陰謀に巻き込まれて奔走する。絡みまくった伏線を全部回収するのが凄すぎるので皆観て!!

アメリカン・ギャングスター
デンゼル・ワシントンラッセル・クロウを起用しておきながら、そんな贅沢な使い方する!?!?贅沢すぎるが!?!?凄かった……面白かった……!!!!!!私が観たのは劇場公開版なので、伝説のラストシーンを観ていません。

善き人のためのソナタ
監視する側とされる側という奇妙な関係。他人の生活を盗み見て文学や音楽に触れ、人間らしい生活を取り戻していくヴィースラー。ラストシーンがエモーショナル過ぎて嗚咽したけど女性が酷い目に遭うシーンがあるので一概に好き!!とは言えない。

『ドープ/DOPE!!』
ドタバタコメディに見せかけてどこまでも現実を描いている。黒人の子供だからと搾取する大人達と、黒人だけど厳密には黒人のコミュニティには属していないマルコムの駆け引きに震えて欲しい。『ルース・エドガー』と魂で繋がっている映画だと私は思う。

『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
泥臭いヒーロー誕生映画で熱くなったり泣いたりしたけど、いかんせん悪役のジンガロが端から端まで持って行ってしまうので、変なアドレナリンが出っぱなしで全然眠れなかったのを覚えている。ルカ・マリネッリ、本当に凄い俳優だ……!!!!!!

マイル22
特に感想がない。それくらい内容が何もない。早口でFワードを飛ばして捲し立てるマーク・ウォールバーグ、もうお腹いっぱいだな。マーク・ウォールバーグピーター・バーグもそろそろコラボを止める時なのではないか。

セブン・シスターズ
ディストピア映画はいくつか観てきたけど、この映画もまた良かったな!私は凄く好き。ノオミ・ラパスが演技でぐいぐい引っ張っているのが強み。本当に7姉妹いるみたいで、だから余計に悲しかった。マーワン・ケンザリはハンサム過ぎて暴れた。

『アルプススタンドのはしの方』
映画館で観られて良かった!応援席でただ会話をしているだけなのに、無駄が無くて面白い。私が大好きな演技で魅せる俳優達。原作の戯曲も観てみたい。学生の時のモヤモヤした気持ちとか、やりきれなさとか、そういうのが全部詰まってて愛おしかった。

ザ・ピーナッツ・バター・ファルコン』
「友達は選べる家族」の言葉にどれだけパワーを貰ったか。成り行きで旅をすることになった3人が、旅を通じて少しずつ自分を解き放っていく。築いていた固い壁が崩れてゆく。そこが良かった。

『ファインティング・ファミリー』
自分の夢が破れる瞬間に折り合いをつけた瞬間。家族の夢がいつしか自分の夢となり、未来をもぎ取る瞬間。それらをあんなに眩しく描くなんて!!プロレス選手を傍で支える人達もちゃんと映していてもう信頼しかない。今すぐプロレスの試合を観戦したい。

ダンケルク(4DX)』
リバイバル上映ということで。この映画ほど4DXの効果ががっつりハマった映画はないと思う。ファリアがダンケルクビーチに着陸させる前の風の流れを確認するシーンで、画面から風が吹いてきて不覚にも泣いちゃったんだよな。

プロヴァンスの贈り物』
こんな、いかにも仕事で撮りました!!な映画を観るのは久しぶり過ぎて笑ったし、それがリドリー・スコットだから余計に困惑した。つまらなすぎて泣いた。ラフな格好をしたマリオン・コティヤールが車に跳ね飛ばされてブチ切れるシーンだけは良い。

『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
残された時間の中で何ができるのか。まるで遠足前の子供のように2人で相談し合って、笑って、夢を語って。その姿が愛おしすぎてラストシーンは嗚咽した。自分らしく生きることはこんなにも素晴らしい。今凄く海に行きたい。

『ソローキンの見た桜』
ストーリーはありきたりだし、展開も読めてしまうけど、日本語と英語を使って伸び伸びと演技する阿部純子が輝きまくってて目が離せなかった。『T-34』でロシア映画が流行りだした今、井上雅貴監督が日本とロシアの懸け橋になるしかないのでは?

インセプションIMAX版・4DX)』
初めてのIMAXと4DXを体感して、素晴らしい映画体験だった……!!(当時は普通サイズのスクリーンでしか観ていなかったので)「コマよ!!止まってくれ~~~!!」って観客の声が一つになる空気を久しぶりに体感で来て良かった。

『プロジェクト・パワー』
「5分間だけスーパーパワーが得られる薬」という美味しい設定のはずなのに、そこまで面白くなくてあれ!?って感じ。拍子抜けしちゃった。ジョセフ・ゴードン=レヴィットが急いでシャワーを浴びた風で出てきて敵を躱すシーン、皆好きなやつでしょ。

モーターサイクル・ダイアリーズ
エルネストが友達の手を離して向こう側へ行ってしまった決定的な瞬間があまりにも切なくて、自分でもよく分からないけど泣き崩れた。ベニシオ・デル・トロが主演のチェ・ゲバラ2部作を観るともっと良いと思います。

私はあなたのニグロではない
BLM運動を通して黒人差別が無くなるために考えたり、何か行動を起こそうとしている人がいるとしたら、これだけは絶対に観た方が良い。『グリーンブック』がアカデミー賞作品賞を獲ったことの何が問題だったのか?観れば分かる。

『コリーニ事件』
ここ数年良質な裁判映画を観てきたせいか、この映画のあれやこれは上手く機能していたとは思わないけど、でもドイツの負の遺産から目をそらさない姿勢は尊敬するし、そういうテーマで映画を撮り続けることができるのはドイツの映画業界の強みだよな。

『ペイン・アンド・グローリー』
男と女に導かれ、支えられて、でも最後に決めるのは自分という。私が観たかったのはこれだよこれ!!未だに美しい女だけが男を導く映画を撮るハリウッド業界は1億回この映画を観ろ!!ラストの仕掛けも素晴らしい!!

『レディ・オア・ノット』
家族だの血縁だの昔からのしきたりだとうるせえええええ!!って人達はこれを観て存分にパワーを貰って欲しい。途中痛すぎて目をそむけたくなるシーンがあるけど、それ以外は凄いので観てくれ~!!これは多分コメディ映画。

『残された者ー北の極致ー』
マッツ・ミケルセンの(ほぼ)一人芝居。寒い土地で残されてサバイバルしなくちゃいけない系の映画は何本か観たけど、この映画は質が違う。良かった。ラストシーンが最高のタイミングで見切れるので是非味わってほしい。

『ヘロイン×ヒロイン』
ドラッグの根絶を目指して奔走する3人の女性を追った短編ドキュメンタリー映画アメリカと日本が決定的に違うのは、薬物を使用した人間に対する接し方だと思う。そう、薬物を使ったことは結果に過ぎない。生きてるだけで偉いんだ。

『ヘヴィ・ドライヴ』
ジャケット詐欺過ぎて謎の低評価を食らってる良作。テッサ・トンプソンリリー・ジェームズが姉妹で、アメリカの妊娠中絶の問題と黒人の貧困の問題を全部を映してて凄い。この監督が『キャプテン・マーベル2』の監督なんて信頼しかないでしょ。

『ハニーランド 永遠の谷』
物語のようで物語じゃないドキュメンタリー映画。多分、こんな奇跡って私が生きてるうちにはもうないんじゃないかって思うくらい、奇跡と奇跡が偶然重なってできた産物だと思う。映画の神様って居るんだわ。

『マーシャル 法廷を変えた男』
チャドウィック・ボーズマンがこの世界から居なくなって、呆然として、この映画を観た。このタイミングで観て良かった。「我々が奴隷ではないのは(先祖が)立ち上がり闘ったからだ」の言葉の重みを抱き締めて明日を強く生きたい。

『幸せへのまわり道(2019)』
また人生の礎にしたいセラピー映画に出逢ってしまった。トム・ハンクスは定期的に賞レースにノミネートされるんだし、もう功労賞あげなよ……と思っていたけどやっぱりトム・ハンクスって演技が上手い。彼の穏やかで優しい歌声だけでもう泣く。

『ミスター・ロジャースのご近所さんになろう』
「そのままの君が皆好きなんだよ。君は特別なんだから」と大人が肯定してくれる。そんな教育番組を見て育ったアメリカ人が心底羨ましい。クレモンス警官役の彼とのエピソードで泣き崩れた。『幸せへのまわり道』とセットで大切にしたい。

『宇宙でいちばんあかるい屋根』
クソビッチと言われている女の子に「あの子、君のことが好きなんだね」とか言って怒ってもくれない男が出てくる胸糞映画。本当に『新聞記者』を撮った監督なのか?どいつもこいつも性差別年齢差別しやがって!日本アカデミー賞のトロフィー返上しろ!!

『青くて痛くて脆い』
言いたいこと言わずに勝手にこじらせて、めちゃくちゃ遠回りしただけの茶番映画。サークルの先輩が「君のことが好きなんだ!」と言って相手の同意を取らずに抱き締めるシーンが気持ち悪すぎるのでアウトです。

『はちどり』
心にすっと染み込んでくる、苦しいけどそれ以上に優しくて温かい映画だった。激動の時代に飲まれまいとして、日々身を削って失っていった人間らしさ。ウニが先生と出逢い、交流を通じて世界が開いていく。その過程が凄く良かった。眩しい。

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
割りと色々な人が支持してるけど、私は全然好きじゃないし支持していない。先生と生徒の間にある経済格差とか生徒に手を出す教師とか、そういうところが引っかかってしまって心から楽しいと思えなかった。副業しないと生活できない校長先生って何だよ。

『アンダーウォーター』
開始数分で基地がグッチャグチャになって「まだモンスターの影すら見えないのにこんな飛ばして大丈夫なのか!?」と心配したけど問題無かった。悪くはないけど、生き残るメンツがBLM運動の前に作られた映画だと分かる作りなのが辛い。

『トワイライト~初恋~』
当時のファンの熱狂と黄色い声を全部丸ごと映画に閉じ込めた記念すべきシリーズ1作目。なんか、そこまで悪くないのでは?完全に当時の熱量に見事に当てられて、興奮して夜眠れなかった。吸血鬼たちの野球大会が可愛い。

『ニュームーン トワイライト・サーガ』
前作の良いところを全部そぎ落としやがってこの野郎!!酷すぎる脚本が本当に酷くて泣いた。まだ2作目なのに……後3作も観なくちゃいけないの……?一気にテンションがどん底へ。私の興奮を返せ!!!!!

『エクリプス トワイライト・サーガ』
2作目が酷すぎて少しは持ち直すかと思ったけど更に事態が悪化してて心が折れた。私が最後まで推していたジェイコブも壊れたラジオみたいに好きだ好きだ言ってるし、挙句の果てには拒絶するベラにキスするし完全にゲロ案件。お前ら一体何をやってんだ。

『TENET/テネット』
私はこの映画を支持していないけど、さよならをする美しさは目に焼き付いているし(あのシーンの2人の演技良かったよね)ジョン・デイヴィッド・ワシントンは素晴らしいので定期的に話はしたいと思う。皆ニールの話しかしていないのが致命的な欠点。

『エノーラ・ホームズの事件簿』
元気いっぱいのエノーラ・ホームズが観客に語りかけながら冒険をしていくのは新鮮でいいなあと思ったけど、サム・クラフリンの演技が鋭すぎて余韻を引きずってしまったために心から楽しめなかったのが痛い。演技が上手すぎて逆に足を引っ張るって何。

『窮鼠はチーズの夢を見る』
世界には『オールドガード』も『お嬢さん』もあるので同性愛者が傷つけられて消費される終わる映画はもう観たくない。異性愛者がこの映画を観て悲しむのも切なくなるのも自由だけどその時点で自分の持つ特権を行使していることを頭の片隅に入れておいて欲しい。

『mid90s』
これを観てジョナ・ヒルの株が大暴落して一気に信頼できない俳優のリスト入りした。この映画を半自叙伝と言えちゃうジョナ・ヒル怖いよ〜少年と女の子のシーンとかちゃんとケアして撮ったんだろうな?謝罪する奴はゲイだとかなんだその台詞。怒るよ?

『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』
世界恐慌でどの国も苦しむ中、唯一繁栄していたと思われるソ連の裏側の話。これが第二次世界大戦前か……。そんなことある!?ってくらい惨すぎて、でもこれが現実……。ピューリッツァー賞って……なんなんだ。

『マティアス&マキシム』
ドラン監督がこの映画撮ったって数年前の私、信じられるか!?嬉しくて当日ずっと泣いてたんだよなぁ。ドランの作品に共通する母親との描写もあるけど、それ以上に友達との大事な時間を描いてくれたことが嬉しかった。私はハッピーエンドと受け取った!

『ライフ・イット・セルフ 未来に続く物語』
こんな酷い映画ある!?ってくらい酷すぎて倍速で観たかった。白人ばかりで異性愛を推奨するのにこんなにド下手くそで何?オスカー・アイザックって割りと死んじゃう役をやってる気がするけど、この映画ほど意味分からない死に方はない。一生観ない。

『スノーピアサー』
ポン・ジュノ……!!(2020年に入って2回目の絶叫)こういう役をクリス・エヴァンスにやらせる!?この時キャプテンアメリカやり始めた頃だよ!?エグすぎるわ!!ソン・ガンホが凄い色気を纏って出てきて笑った。悪夢のお正月。ラストは最高。

オン・ザ・ロック
開始数秒でゲロ吐きそうなくらい気持ち悪い台詞をぶん投げられてやべえってなったけど、後半にはそういう気持ち悪さを返上する映画に昇華されてていい意味で吃驚した。当時は腕時計のくだりを褒めてた気がするけど、今思うとあれも微妙かもな。

『Homemade/ホームメード』
コロナ禍で制作されたショートフィルム集。全17話。Filmarksで各話の感想をあげているのでそっちのリンクをはっておきます。どれも素晴らしい映画なので観てね!

filmarks.com

 

マルコムX
黒人差別と闘うために立ち上がった男の末路。同じ黒人でも考え方は千差万別で意見がぶつかるのは当たり前だけど、当時の彼らは考えの相違を良しとせずあんな手段を選んだのだ。デンゼル・ワシントンの演技にねじ伏せられて欲しい。

『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
故郷に住み続けたいのにお金が無くて住めない黒人はどこへ行くのか?モントはお芝居でジミーに本音をぶつけたけど目に見えない大事なものだけでは生きられない。一生逢えないかもしれない。それでもさよならを選んだジミー。寂しい。

『オフィシャル・シークレット』
自分の心身を削りまくって情報を漏洩して裁判まで発展したのにイラク戦争は止められなかった。政府を監視しながらも、私が言わなくてもいいやの積み重ねが招いたことなんだろう。この映画のレイフ・ファインズは良い。

『シカゴ7裁判』
確かこの日別の映画を観ようとしてたんだけど、Twitterのフォロワーさんの感想見て急遽観に行ったんだよね。演技が上手い俳優達の演技による壮絶な殴り合い!!これは映画館で観て良かった。白熱し過ぎて眠れなかった日曜日の夜。吹き替え版も良い。

みをつくし料理帖
澪が料理と向き合っていくうちに自分で道を切り開いていく。そこに女と女の物語が見事に組み込まれているので時代劇だから……と敬遠せずに皆観てくれ。時代劇だけどちゃんと現代を生きる私達に繋がっている。素晴らしかったー!!原作読みたい!!

『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』
皆散々言ってるけど本当に『アド・アストラ』と繋がってて腰抜かした。チャーリー・ハナム演じる主人子が家父長制度に雁字搦めにされてゆく。家父長制度は自分だけでなく皆の人生まとめてメチャメチャにするから早くぶっ壊そう。

『孤独なふりした世界で』
途中まで良かったけど、ピーター・ディンクレイジエル・ファニングのキスシーンがあった時点で無理だった。恋愛要素、必要だったか?????無くても十分面白くなる要素は揃ってたはずだけど。主演2人の実年齢の差を考えてくれよマジで……。

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』
皆当たり前のように「長男だから」「男だから」って枕詞つけるけど、マジで何。もう2020年だぜ?親の世代にも刺さるって完全に自分の子供に置き換えて泣いてるんだろうな~と思った。子供が命を懸けなきゃいけない世界なんて私は全然好きじゃない。

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
京アニを支援したくて観たけど好きじゃねえ~外国の物語なのに白人至上主義で反吐が出るね。架空の戦争を作って物語として消費して、挙句の果てに不治の病も泣かせるための要素なの?大佐……ヴァイオレットの幸せを勝手に決めんなよ!ムカつくぜ!!

『6日間』
作戦を決行する前の緊迫感とか、特殊部隊員のジェイミー・ベルとか、「こうするしかないんだ」と苦渋の決断を下す交渉人のマーク・ストロングとか良かったけど、映画としては正直微妙なところ。

ドゥ・ザ・ライト・シング
スパイク・リーが訴えていることが30年前から変わっていないって私も含めて全世界無関心過ぎない?「右(愛)と左(憎しみ)はいつも戦っている。左が原因で人はいつも殺し合うが、右は人の魂に触れ、やがてKO勝ちする」頑張ろう。私も、貴方も。

『オペレーション・フィナーレ』
舞台がアルゼンチンやらイスラエルやら、非英語圏の国の話なのになんで皆英語しゃべってるんだよ~~~~~~国の文化に対して敬意が無さ過ぎて萎える。誰かと思ったら『ニュームーン トワイライト・サーガ』の監督かよ。恥を知ってくれ。

『82年生まれ、キム・ジヨン
なんかいい感じにまとまってたけど、そんな終わり方じゃダメだろ……キム・ジヨンは年単位で心身ともに傷つけられたのに、夫が最初にやることが泣いて謝罪して……??????それだけじゃあ全然足りないだろうが。

『朝が来る』
映画が綺麗すぎるって感想見たけどあれ以上の地獄をもっとリアルに描けと?それはこの映画で言う底辺で暮らしていない人が言えることでは?日本の底辺で生きる人達の手を決して離さないこの映画が好きだよ。人間らしい生活をしている人達が困っている人に手を差し伸べる。それが当たり前の世の中になってほしい。していこうよ。

『エクストリーム・ジョブ』
皆観終わった後口を揃えてチキン食べたいって言ってたけど、分かる。めっちゃチキン食べたくて夜中コンビニ行くか迷ったもん。チームのメンバー脳みそ筋肉過ぎて最高だし、そういう人達を適度に野放しにする上司も大好き!楽しかった~!!

『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』
マジで怖くて私でも映画館で震えた。なんでこれ映画館で観ちゃったんだ!?来るぞ来るぞ!!(ドキドキ)からの溜めが長すぎて心臓持たねえ。日本の描写は良かった。アンドレア・ライズボローとジョン・チョウが良かったので気になる人は観て。

『#生きている』
韓国のゾンビ映画は皆違って皆良いから安心して観られる。この映画もそうだった。足がめちゃくちゃ速いゾンビは流石にもう見慣れた感があるけど、そういうのを差し引きしても良かった。世界が死にかけていても希望で終わるのは良い映画!!

『タイムリミット』
ドイツ産のサスペンス映画。なんだけど、出てくる人達皆ポンコツ過ぎてどうした?????コントか?????????途中からイライラが凄まじいので倍速で観ても問題ない。というか、観なくても良いです。

『罪の声』
自分のエゴで勝手に子供を利用して世界を変えた気になっている大人達と、人生を壊された子供達。なんで後者が惨めな思いで生きていかなくちゃいけないんだ。苦しかったけど救いはあって良かった。野木さんの脚本は今作でも安定していた。

『マーティン・エデン』
前売り券まで買ってワクワクした気持ちで観たのに途中で気絶した。ルカ・マリネッリの演技は凄すぎて割りとボコボコにされたんだけど、ストーリー的にはあまり乗ることができず。マーティンが人を見下した辺りから勢いよく興味を失った。

『行き止まりの世界に生まれて』
2020年に観たドキュメンタリー映画、どれもこれも映画の神様宿りすぎ案件。この映画も素晴らしかった。友人と自分の周りの時間をカメラに収めたことが結果的にアメリカという国を捉えたという凄い映画なので是非!監督の優しい眼差しが好きだなあ。

ハンナ・アーレント
終盤の講義のシーン、見応えがあり過ぎて定期的に観たい。『オペレーション・フィナーレ』の雪辱は果たした。ハンナ・アーレントマルティン・ハイデッガーが不倫関係にあったことを知らなくてゲロ吐きそうになったのは内緒。(内緒にしてねえじゃん)

『ある画家の数奇な運命』
この時期、ナチスドイツ関係の映画を観ていた気がする。マックス・リヒターのサントラの圧にやられて映画館で爆泣きしてたんだけど、冷静になってみるとなんで女優(敢えて書きます)ばっか脱がされて不公平じゃんとか色々引っかかる点ありました。

『羅小黒戦記』※吹き替え版
アクションシーンに目を奪われっぱなしで、初見が吹き替え版で良かったと思いつつも字幕版もやっぱ観ておきゃあ良かった……!!と後悔ありまくり。制作国がどんな状況であろうと、そろそろ悪役が死なずに手を取り合って終わるアニメ映画が観たい。

『スペンサー・コンフィデンシャル』
ウィンストン・デュークをそんな使い方して良いんか??????駄目だろ????????と思ったらまたピーダー・バーグとマーク・ウォールバーグのタッグでもう良いよ~~~観終わった後『アス』観ようかなと思うくらい酷い映画だった。

『ロスト・マネー 偽りの報酬』
スティーヴ・マックィーンの映画のベッドシーンって全然好きじゃなくて、この映画でもやっぱり居心地悪かったんだけど、それ以外は良かった。殺し屋のダニエル・カルーヤの演技が怖すぎて泣いちゃう。希望があって終わる感じは大好き。

『ゲーム・ナイト』
予測できない脚本と俳優達の演技がぐいぐい引っ張るので、安心して身を任せていた。デンワル・ワシントンのくだりは全然好きじゃないけどそれ以外は良かった。カイル・チャンドラー演じる兄が嫌すぎる。オエオエしながら弾丸を摘出するシーンやばい。

『フェアウェル』
終始「早く家に帰るか気絶して楽になるかしたい」と思いながら観ていた。地獄過ぎるけどもっと地獄なのはあのラストの唐突なネタばらしだったかな。映画だから良いとしていたことが一気に現実になってしまったのがでかい。

『ようこそ映画音響の世界へ』
普段映画を観る時、全然音響の世界に目を向けてこなかったんだな自分。ちょっと反省した。あの映画もこの映画も色々な創意工夫をしていて楽しかったけど、ジョン・ラセターは出しちゃあ駄目だろ。

『Mank/マンク』
意外にも、前日に観た『ようこそ映画音響の世界へ』と時代が繋がっていてすんなり映画に入りこめた。でも途中気絶した。ゲイリー・オールドマンとリリー・コリンズの関係性が良い。

『クリスマス・クロニクル』
こっから突然始まったクリスマス映画マラソン。Fワードを飛ばさないご機嫌なカート・ラッセルがサンタの格好をして大暴れしているので皆観て欲しい~!メインが白人ばっかりのキャスティングで顔を顰めたけど、全体的に楽しかった!

ダイ・ハード2』
1作目はクリスマス映画と認識していたけど2作目もそうだったとは知らなかった。(覚えていなかっただけ)これが爆発的なヒットを生み出してたらクリスマス映画としてシリーズを作っていったんだろうな。これを打ってる今ももう内容を忘れつつある。

『燃ゆる女の肖像』
穏やかに流れる時間の中で燃えるように恋をして、さようならをする。それも確かに愛の形だと思う。が、もう世の中には『オールドガード』も『お嬢さん』もあるので、すっ、凄いもん観た!と興奮しだけど好きかと言われると半々なところ。

『ジングル・ジャングル 魔法のクリスマスギフト』
クリスマス映画のマラソンをしている中でぶっちぎりで好きだったやつ。家族部門優勝ですこれ。作中で理系の話をしてるんだけど、最終的に信じる気持ちが大事!に収束していくのが最高。キラキラのクリスマス映画!楽曲が満点過ぎる。

『素晴らしき哉、人生』
ずっと観よう観ようと思っていて観ていなかった古典映画をやっと観たぞ!!アメリカではこの映画が毎年クリスマスの時期に流れるって聞いて成る程ね~?善人が報われる瞬間がドラマチックで素敵な映画だとは思うけど、手離しで褒められないやつ。

『ファインティング・with・ファイア』
意外とちゃんとしてたジョン・シナ主演のコメディ映画。大人が子供に「子供らしく生きて欲しい」って真っ直ぐ伝えるところが好きだよ。これでおもちゃ売り場でアジア系の人間に意地悪するシーンが無ければもっと褒めてたな。

『ミッドナイト・スカイ』
ジョージ・クルーニー……。(絶句)映画館じゃなかったら観るのやめてた。これ原作がそういう方向性らしくてそっか~ってなるけど、それならもう少し脚本なんとかできたと思うけど。豆を飛ばし合うシーンのサントラが陽気過ぎてどうした??????

『ザ・プロム』
プロムに乗り込む人達白すぎてちょっと引いた。それ以外は良かった。中盤からずっと泣いてて、プロムのシーンはもう目から滝のように涙が出ていた。この映画も楽曲良かったな~!!エンドロールまでオマケがいっぱいで嬉しい。隣人を愛せ!!!!!!!

『クリスマスに降る雪は』
クリスマス映画マラソン、恋愛部門はこれが1位だ!!シャメイク・ムーアとイザベラ・メルセードのカップルが良かった。私はザ・ローリング・ストーンズの楽曲をバックに皆で踊るシーンでめちゃくちゃになって泣いちゃったんだ。群像劇としても完璧!

ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』
グレースが黒人で女性の歌手が生き残れる確率の低さを吐露していたけどそういうのを明確に示してくれるからこの映画は信用できる~ケルヴィン・ハリソン・ジュニアがハンサム過ぎて照れる。吃驚して落っこちちゃうシーンとか愛おしさしかないでしょ。

『クリスマス・ナイト 恋に落ちた騎士』
凄いお金がかかっていない、超お手軽『ニューヨークの恋人』って感じ。低予算で作られたのが分かる演出意外と嫌いじゃない。けど、1年前でこのキャスティングの白さと異性愛を全面に推す作りはあんまり……。

『めぐり逢えたら』
ロマンチックだとは思うけど、男ども、子供も大人もルックス重視しすぎてキツくねえか???????確かにパパに新しい恋人ができたら品定めをしてしまう子供の気持ち分からなくもないけどさ~そこでメグ・ライアンが出てきちゃうんだからドン引きよ。

『スパイの妻』
蒼井優高橋一生の演技での激しい殴り合い!!一緒に手を繋いで駆け抜けるかと思ったら最初から隣に誰もいないのが怖すぎて泣いた。突然の黒沢清節炸裂。やっぱりジメジメして鉄扉のある部屋が出てきて笑った。好きなの?東出昌大の棒演技が地獄。

『ホリデイ・イン・ザ・ワイルド
40代の女の離婚を第二のスタートとして描くところが好き。何歳からでも新しいことは始められるんだよね。牙をむしり取られた象が一瞬映るので注意。厳密に言うとクリスマス映画というより、クリスマスの時期に起こった話がメイン。

『クロース』
クリスマス映画マラソンをして見事に1位に輝いた映画。後半ずっと嗚咽していた。これから毎年ジェスパーとクロースの友情に想いを馳せながらこの映画をクリスマスに合わせて観ることになりそう。J・K・シモンズが優しい声で演技をしているので皆観て。

ワンダーウーマン 1984
色々言いたいことあるけど、でもやっぱり好きだ~!!序盤の女だけのオリンピックでもう涙腺やられたし、ダイアナが全世界の人達に語り掛けるシーンも目が溶けそうなくらい泣いてた。次回作、メインキャストに黒人の俳優が起用されたら良い。頼むぞ!!

『アンジェラのクリスマス』
ルース・ネッガが声優として参加してるので観たけど、思っていた以上にキリスト教の話だった。でも貧しい家庭なのに4人の子供を産んでて、案の定生活が苦しくて父親は家族のために窃盗して逮捕されてって一体何を見せられているんだ。

『エルフ~サンタの国からやってきた~』
ピーター・ディンクレイジの身長をいじるシーンがヤバすぎてゲロ吐きそうだった。いくら「サンタの国に住んでいるエルフだから人間界の常識が分からない」という設定があったとしてもやっていいことと悪いことがあるだろうが。

グレムリン
完全にギズモに心奪われてしまった。観終わった後通販サイトでギズモのぬいぐるみを探しまくってたし、次の日もずっとギズモのことで頭がいっぱい。ギズモ……可愛すぎて暴れてしまう。ビリーとピアノの弾き合いっこをして意思疎通するシーンが好き。

『クリスマス・クロニクル PART2』
前作のキャスティング白すぎてちょっとな~と思ってたら今作はちゃんと考えてたっぽくて嬉しかった。ミセス・クロース役のゴールディ・ホーンってリアルにカート・ラッセルのパートナーなのね!?!?!?

東京ゴッドファーザーズ
ホームレス達が赤ちゃんを巡って東京を駆け回り人と人を繋いでいく。クリスマスの奇跡だ!と思い込むことが本当にクリスマスの奇跡になっているところが良い。ただ、ギャグシーンとして娘がいる親父が家出娘の胸を揉むシーンがあるのは駄目です。

『ウルフウォーカー』
真っ直ぐで優しい~!!AURORAの歌がドンピシャなタイミングで流れてくるので凄い。あんなに完璧なシーンはない。手を取り合って掴む未来。例え一時的なハッピーエンドだったとしても、ハッピーエンドで映画が終わることが大事だと私は思うので!

『Late Afternoon』※原題
認知症の祖母がいるので、祖母が日々見ている世界がこの映画のように穏やかでカラフルだったら良いな~と思った。ショートフィルムだけど、真っ直ぐ届くので良い。優しい映画だった。

『ブレッドウィナー/生きのびるために』
タリバン政権下で買い物にさえいけない女性たちが捨ててきたもの。パヴァーナが物語を勇気に変えて必死に生きる姿が本当に辛くて、私には何ができるのか考える。アフガニスタンが舞台なのに英語の台詞で喋っているのは……支持できない……。

『異端の鳥』
少年の目からどんどん生きる気力も光も無くなっていく。ひたすら暴力描写が続くけど、それ以上に心から救われるようなエンディングじゃないともう駄目だと思うんだよね。映画は記録じゃなく、あくまでも映画なので。

『彼らは生きていた』
モノクロの記録映像がカラーになった途端、そこにいる人達が呼吸を始めて心底驚いた。真の男になるために笑って戦争に参加した人達が「戦争は無意味だ」って言っていたのに、結局第二次世界大戦を止められなかったこと。私達は忘れてはいけないよ。

 

 


はい、終わりです!!!!!!!!(クソでか声)
250作分のレビューは流石に終わりが見えなさ過ぎて絶望顔でしたが、楽しかったので来年もまた総決算込みでやろうかな~と考えています。
それにしても28000字越えって……私の書いた卒論よりも長いんですけど……。笑
いや~本当にお疲れさまでした。
2020年は本当に色々なことがあって、いつも以上に意識して、アンテナを常に張りながら色々な映画を観たような気がするんですけど、それでも足りないんだから不思議ですね。

 

因みに2020年の映画ベスト10は以下の通りでした。(Twitterから転載)

#2020年映画ベスト10
1.風の電話
2.朝が来る
3.ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
4.オールドガード
5.幸せへのまわり道
6.パラサイト、レ・ミゼラブル
7.アルプススタンドのはしの方
8.ペインアンドグローリー
9.名もなき生涯
10.ルース・エドガー
次点:マティアス&マキシム、もみの家

注意書きを読んだ上でここまで駆け抜けてくれたと信じて言っちゃいますけど、私は「この映画のここが最高」とも言うし、それと同じように「この映画のここが無理」って言っちゃうタイプなんですよね。
いや、知ってるからここまで読んで下さってると思いたいんですけど。(大事なので二度言う)
私の言葉で傷つく人が居たら申し訳ない……と思いつつも、プラスな感情もマイナスな感情も全部言語化して整理したいのでこれからも止めません。
私の映画の感想はあくまでも私のための感想でしかないので、誰に対して言ってるわけでもないし、私の言葉で貴方の「好き」は揺らがないで欲しいし、貴方の映画に対する「好き」という気持ちは貴方だけのものなので、そのままの貴方で居てください。
映画を観て色々な感想が出てくるなんて百も承知で(世界中には本当に沢山の考え方を持った人間がいるので)、そこが映画の面白くて素晴らしいところなので、映画を観て思ったこと、感じたことは大事にして欲しいです。
何が言いたいかっていうと、例え私がある映画を観てマイナスな感想を言ったとしても、その映画を好きな人を否定するわけではないってことです。
私は私らしく、貴方は貴方らしく!!!!!!

基本的にはTwitterで感想を虚空に投げているので、良ければそちらも宜しくお願い致します~!!
2021年も元気に沢山映画を観ましょうね。
ここまで読んで下さった貴方!!
本当に有難う御座いました!!
お疲れさまでした!!!!!!!!!

マイク・フラナガン監督へのラブレター

私はマイク・フラナガン監督が好きだ。
好きな映画監督はいっぱいいるが、「誰が一番好き?」と聞かれたら、今の私は間違いなく彼の名前を挙げるだろう。
それぐらい彼と、彼の作り出す作品が大好きなのだ。


先日、マイク・フラナガン監督が『MIDNIGHT MASS』の撮影を無事に終了したとコメントしているのを見かけて、その真摯な言葉に胸が熱くなり、彼の制作してきた映画やドラマの話がしたい!!と思い立って今これを書いている。
マイク・フラナガン監督って誰よ?って人も、これから観ようかな~と思ってる人も、良ければこの愛をギッチギチに詰め込んだ文章にお付き合いしていただけると嬉しい。

 

マイク・フラナガン監督の映画に出逢ったのは昨年のことだ。

 これは『ドクター・スリープ』を観た直後の私の呟きである。
見てわかる通り、私は興奮のあまりに映画館で錯乱していた。

ぶっちゃけると、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』は別に好きでも嫌いでもないし、それを観て激怒したスティーヴン・キングが自分で脚本を書いた方の『シャイニング』は観てもいない。
「『シャイニング』の40年後の続編?ユアン・マクレガー出てるし、『シャイニング』は一応観てるし、折角だから観ようかな」
ほんの軽い気持ちだった。
私はボコボコにされた。
今すぐ誰かに話を聞いてもらいたい。
でも、公開してすぐのこともあり、ネタバレをしながらの感想は言いたくない。
そもそも映画館で観るほどホラー映画が好きな人は私の周りには居ない。
(私でさえホラー映画を映画館で観られるようになったのはここ数年のことだ)
でも、私は今すぐにでも誰かとこの映画について熱く熱く語り合いたかった。

ほぼ正気を失っていた私は今年で20年の付き合いになる映画好きな友人に
「ねえ!!ちょっとだけ怖いけど最高な映画があるから『ドクター・スリープ』を一緒に観ようよ!?!!?絶対に貴方が好きな映画だから!!!!!!!!」と煽りに煽って数日後に一緒に観た。
観終わった後、友人も興奮した顔で「やばくない?????????」と言ってきた。
この時の私は最高にニヤついていいたに違いない。
私は「だろ!?!?!?!?!!?!?」と映画館のロビーで歓喜の声を上げ、お互いやばいやばいと言いながら、そのテンションで本屋に駆け込み、原作本を買ってカフェであのシーンがやばいだの、あのシーンが素晴らしいだの、何時間も盛大に語った。
私にとってはかなり濃密な数日間で、今でもあの時の高揚感とハッキリと覚えている。
こんな風になったのはクリストファー・ノーランの映画を生まれて初めて観た時以来かもしれない。
私は「また新しい映画監督に出逢えた!!」と心の底から幸せだった。


それから数ヶ月後、『ドクター・スリープ』のディレクターズカット版が配信された。
その時私は絶賛原作を読んでいる真っ最中で、どこがどう脚色されているのか、そもそもディレクターズカット版と劇場版は何がどう違うのか、比較して楽しみたかっただけなのだが、そこでまたしても衝撃が走る。


マイク・フラナガン監督………あまりにも天才すぎる。

 

何が天才って脚色力と編集力がずば抜けているのだ。
原作を読んでいる私からすればあの劇場公開版は1億満点を叩き出すレベルの続編映画だったし、ディレクターズカット版は原作が好きな人は絶対に喜ぶ仕様になっているのである。
いやこれは喜ぶなって方が無理。

 

ディレクターズカット版を観てから劇場公開版を観てみると、後者がいかに細かく細かくカットされて30分も削られたのかが分かる。(比較してみると開始5分でもう知らないシーンがいくつも存在する)
でも、その編集の仕方が素晴らしいのも、劇場公開版として正しかったのも分かる。
映画館で観るには多分長すぎるし、カットされたシーンは後半になって間延びしてくる要素のひとつになったはずだ。
一方、ディレクターズカット版は「劇場公開をする」という制限が無くなったことによりとにかく時間をたっぷり使っている。
監督がやりたいこと、商業的にはおそらく不要な要素だとしても映画の中に残したかったことを全部詰め込んで上手くまとめ上げたのがディレクターズカット版だと思う。

 

比較して全部挙げたい衝動に駆られるが、そこは是非劇場公開版とディレクターズカット版を見比べて楽しんでもらいたいので割愛する。
因みに先日『ドクター・スリープ』を一緒に観た友人に冒頭の10分だけ見比べてもらったのだが、「天才じゃん????????????」と一言をもらった。
分かる。


そして私が最も感動したのは、この映画が続編映画としても、小説の実写化としても完璧であるということだ。
そもそもこの映画の何が複雑にしているかというと、映画ファンと小説ファンそれぞれが『シャイニング』に対して賛否両論の意見を抱えているのに、スタンリー・キューブリックスティーヴン・キングの間にも深い溝がある点だと思う。
スティーヴン・キングキューブリック版の『シャイニング』が嫌いだという話は有名だ)
四方八方で喧嘩が勃発しているような状態で、それが40年間も続いてきた。
そんな中で発表されたのが『ドクター・スリープ』なのである。
私はスディーヴン・キングが絶賛したという言葉を見るよりも早く、「これはスタンリー・キューブリックとスディーヴン・キングが映画を通じて和解したな」と感じた。
これはどこからどう見ても『ドクター・スリープ』はキューブリック版の『シャイニング』の続編であると同時に、スディーヴン・キングの書いた小説の『シャイニング』の続編であり、『ドクター・スリープ』という小説の実写化として理想の遥か上をいっていた。
マイク・フラナガン監督のホラー映画とホラー小説をリスペクトし、こよなく愛する気持ちと、彼独自の手腕が生み出した結果である。

 

『ドクター・スリープ』を観てから私の人生は見事に動かされっぱなしで、「他の作品も観てみようかな」と思い始めた。
取り敢えずNetflixにて配信されている『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』を視聴し始め、それと同じくらいのタイミングでマイク・フラナガン監督のTwitterInstagram(後者はもう閉鎖されているが、大好きなピザの写真が沢山載せられていてとても素敵なアカウントだった)をフォローし始めた。
マイク・フラナガン監督は結構マメに更新しており、その都度ファンと交流したり、ファンアートをRTしたり、とにかく気さくな方だと感じていた。

 

そんなある日、彼のこんな引用RTツイートを目にした。

mobile.twitter.com

 

この時マイク・フラナガン監督は2019年のお気に入りの映画の話を(彼は『名もなき生涯』『パラサイト』『アド・アストラ』『1917』『イエスタデイ』を挙げていた)していて、それに対して「『アド・アストラ』は意味がない。馬鹿げている」とファン?からリプライを貰ったようだった。
映画を観た時に感じたことなんて千差万別だし、好きも嫌いも良いも悪いもあるのが当たり前だと思っているが、それをわざわざリプライして本人に言わなくても良いのにな〜と思っていたところにマイク・フラナガン監督のこの言葉である。
(直訳すると「私はそれが好きで、それは私には完全に理にかなっています...しかし、私が言ったように、さまざまな人々がさまざまな映画を好きで、それは素晴らしいことです。 ひどくて意味がないのは、誰かが他の誰かのところに来て、彼らが好きなものについてどういうわけか間違っていると彼らに言うときです。ばかげている。」)

 

正直に言おう。
私はちょっとだけ泣いた。
映画監督である彼が引用RTに向き合い、人と違うことは素晴らしいことだと明確にすること。
それがどれだけ意味のあることなのか。
そして、こういう考え方の監督だから、『ドクター・スリープ』のダンはアブラに対してあの言葉を送るのだなと思った。


この一連のツイートは私を勇気づけてくれた同時に、心の底から喜びをもたらしてくれたのだ。
私はマイク・フラナガン監督の作品を端から端まで追いかけようと決めた。
ただ彼の映画が好きなだけではない。
彼の作り出す作品も、彼の映画に対する真っ直ぐな愛も、そして彼の人柄も、全部全部好きになってしまったのだ。

 

現時点でマイク・フラナガン監督の作品は映画を6作品、ドラマは2シリーズ鑑賞した。
どれも彼の持ち味を存分に発揮しており、とても素晴らしい作品なので、簡単な覚書をここに記しておこうと思う。

 

・『ドクター・スリープ(原題 Doctor Sleep)』
「シャイニング」という特集能力の名前が全く違う意味合いとして出てくるシーンがあるが、そのシーンがあまりにも完璧すぎて、私はこの映画を墓場まで大事に持っていくことを決めた。
子供が大変酷い目に遭うシーンがあって、その点だけはどうしても観られないし、わざわざ映す必要があったのだろうか?と今後も疑問を投げ続けるだろうが、それを差し引いてもこの映画は素晴らしい。
この映画に出てくる人達は社会の篩からこぼれ落ちてしまった弱者に寄り添い、世界からすればマイノリティに属する人間を見守る姿勢を貫き通す。
君は君のままで居ていいのだと優しく、そして力強く背中を押してくれるこの映画が私は大好きだ。
主人公のユアン・マクレガーにスポットライトが当たりがちだが、シャイニングを持つ子供、アブラを演じるカイリー・カランの瑞々しい演技にも是非注目して欲しい。

 

・『サイレンス(原題 HUSH)』
ホラー映画ではないが、ホラー映画のような撮り方をしているせいで結構怖い。
幽霊と対決しないから余計に背筋が寒くなるし、痛い描写も多いので気軽に観てね!!とは言えないのだが、私はとても好きだ。
聴力を失ったキャラクターが主人公で、ここまで完璧に撮られたサスペンス映画を私は他に観たことがない。
実際に聴力を失った俳優が主人公を演じていれば、きっと世の中で革命が起きたに違いない。
その点に関しては惜しいのだが、それでも手話で演技をして輝きを放つケイト・シーゲルは素晴らしいし、マイク・フラナガン監督とケイト・シーゲルが脚本を共同執筆しているのだから信頼しかない。(2人は2016年から結婚している)
彼女が掴み取った結末を是非見届けて欲しい。

 

・『オキュラス/怨霊鏡(原題 Oculus)』
こんなに最悪なホラー映画あるか!?!?ってくらい辛い。
例えるならホラー映画界の『ダークナイト』みたいなものだ。(そしてライジングしない)
怨霊の力があまりにも強すぎて、『死霊館』シリーズのウォーレン夫妻でさえ勝てるかどうか分からない。
それでもあの姉弟は怨霊に立ち向かわなければならなかったのだし、そもそも分かりきった絶望を目の前に勝負に出るのか出ないのか。
そこに重きを置いているような気がする。
作中でカレン・ギランのポニーテールがゆらゆら揺れているのを後ろから撮る。
その構図がもう怖い。
幽霊が映っていないのに心の奥底から不安にさせる監督は彼しかいないだろうと確信したのは多分この映画から。
余談だが、想像しただけで嘔吐してしまいそうなくらい痛いシーンがあるので、鑑賞には十分注意して欲しい。

・『ソムニア 悪夢の少年(原題 Before I Wake)』
ホラー映画でこんなに泣くことあるか!?ってくらい泣いた。
文章にすると全然伝わらないと思うが、終盤は涙が止まらなくて本当に困った。
SNS界隈ではこの映画を「泣けるホラー映画」と話題だったが、それ以上の完成度だ。
里親が里子を引き取って酷い目に遭うホラー映画は正直言うと何作かあるし、設定だけ見ると真新しさはあまり無いように思う。
しかしながら、そういう設定を踏襲しながらも里親が「あの子は悪くない」と言い切るシーンの力強さに涙してしまうし、今大ブレイクしているジェイコブ・トレンブレイの大人顔負けの演技が作品のレベルを見事に引き上げているところにも注目だ。
『ドクター・スリープ』でも特殊な力を持つ子供を見守る大人が出ていて、私はそういう所を愛しているのだが、その姿勢はこの映画からだったんだなあ、と今なら思う。
マイク・フラナガン監督にしては珍しくドラマチックな歌で物語を締めているところも好きだ。

・『ウィジャ ビギニング~呪い襲い殺す~(原題 Ouija:Origin of Evil)』
タイトルにあるウィジャとは、ウィジャボードと呼ばれるボードゲーム(日本でいうとコックリさん)のことで、2014年に公開されたホラー映画『呪い襲い殺す(原題 Ouija)』の前日譚となっている。
『呪い襲い殺す』は興行的には成功したものの、批評家にボロクソに言われたらしい。
しかし、今作ではマイク・フラナガン監督に好き勝手やって良いよ!(=マイク・フラナガン監督のアイディアを最大限に取り入れて制作して良いよ)と約束し、その結果が前作と異なり批評家の支持を得ているのだから、スタジオは彼に頭が上がらないだろうな、と勝手に思ったりする。
心をザワザワさせる不安な雰囲気は健在で、『オキュラス/怨霊鏡』と並んでしっかり観客を怖がらせてくれる。
因みに、私は前作を未見のまま観たが本作を観てから『呪い襲い殺す』を観てもなんら問題ない。
遊び心満載のエンドロールの後にオマケ映像があるので、是非最後まで観て欲しい。

 

・『ジェラルドのゲーム(原題 Gerald's Game)』
性生活がマンネリ化した夫婦がSMプレイをするというストーリーとは裏腹に、父親から性暴力を受けた女の子に焦点を当てている。
女の子が暴行を受けるシーンがギリギリ見えないように配慮されているものの本当に辛いので、観るタイミングには十分気を付けて欲しいが、この映画では性暴力による「見えない被害者たち」が主人公であり、そんな人達に寄り添い、背中を優しく押すラストシーンは見逃せない。
あのシーンの眩しさは私は一生忘れないだろう。
『オキュラス/怨霊鏡』で嘔吐しそうなくらい痛いシーンがあると上記したが、それを遥かに上回る痛いシーンがこの映画には存在する。
正直に言って、映画を観ていて初めて嘔吐しそうになった。
しかし、その痛いシーンが本作に絶対必要なのも分かる。
あのシーンは被害者たちの受けた傷のメタファーなのだから。

 

・『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス  (原題 The Haunting of Hill House)』
Netflixにて絶賛配信中のホラードラマ。
序盤はスロースタートなのだが5話を過ぎた頃からがマイク・フラナガン監督の真骨頂。
5話を見届けたらそのままラストまで一気に駆け抜けるしかない。
今までじっくり張られてきた伏線がどんどん回収されていく。
あれだけ絡みまくった伏線が最終的に一つの結末に結びつき、綺麗に幕が下りる。
全てが完全に機能している。
もう私は『スパイの妻』の蒼井優のように「お見事!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」としか言えなかった。
また、このドラマは白人の家族の物語だが、それ以外のキャラクターが色々な人種で構成されているところが嬉しい。
(他にもセクシュアルマイノリティや薬物依存者もちゃんと存在しているし、不妊の話にも触れている。)
ここまでちゃんと描けるホラードラマって多分無い。
一体どんな人達がこのドラマを作り上げているのだろう?と好奇心でIMDbを見てみたところ、監督、脚本、原案以外にも製作総指揮、編集に全てマイク・フラナガン監督が携わっている。
もうマイク・フラナガン監督って5人兄弟なのか?????と思ってしまうくらい働きまくっているのに、本当に全部が完璧なのが凄い。
マイク・フラナガン監督のホラー小説(原作はシャーリィ・ジャクスンの『丘の屋敷』)に対する溢れんばかりの愛を全身に浴びて欲しい。

 

・『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー(原題 The Haunting of Bly Manor)』
こちらもNetflixで配信中のホラードラマ。
原作はヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』である。
前作と直接的な関わりはないが、今作では『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス  』でネルを演じたヴィクトリア・ペドレッティが主人公を演じている。
他にも前作でメインキャストを務めた俳優達が色々な役で登場しているのが見どころのひとつだ。
マイク・フラナガン監督はこのドラマでは原案と製作総指揮、監督としては最初の1話のみを担当し、後は他の人に任せるスタンスだった。
その1話目はマイク・フラナガン監督の持ち味が存分に発揮されており、1話目だけ異様に完成度が高く、印象に残る。
そしてこのドラマも前作に負けず不気味で良い。
ひとつ気になるところを挙げるとすれば、このドラマの結末だ。
世の中に『オールドガード』があることを知っている人達ならこのドラマの結末はきっと腑に落ちないだろう。
かくいう私もその一人であった。
しかし、このドラマには前作と異なり「語り手」が最初から存在していることを念頭に置いて2周目に挑戦してみて欲しい。
「語り手」の存在を強く意識すると、今まで観て感じたことが途端に信用できなくなるのだ。
是非何度でも観て色々な発見をしてもらいたいし、貴方なりの解釈をして欲しい。
確かなことは、これは間違いなく愛の物語である。

 

因みに『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス  』と『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』には隠れミッキーもとい、隠れ幽霊が画面のあちこちに映っているので、2周目に挑戦する際はそちらも探してみて欲しい。
私は物語を追うのに必死で全然探せていないのだが、本当にあちこちに映っているとのこと。

 

ここまで書いておいて、私はマイク・フラナガン監督の「不測の事態に対してどうするか、できることやるべきことをやろう。でもそれによって得る物もあれば失うものもある。不測の事態に向き合った結果が全て」みたいなテーマが大好きなのだと再確認した。
全てがハッピーエンドで終わるわけではないが、希望が無いわけではない。
どれもこれも全部「最悪な事態」と向き合った結果に過ぎない。
それは幽霊に置き換えられているだけで、私達が日々を生きていてぶち当たる壁と同じものではないのか?
幽霊の物語を多く手掛けながら、どこまでも身近に感じる。
そんな物語だからこそ、心から惹かれるのだと思う。

 

長くなりそうだと思っていたが、本当に長くなってしまった。
でも私は最高に楽しかったので、残りの作品を観たらちまちま追記しに来ようと思う。
私の狂ったような文章を読んで少しでもマイク・フラナガン監督の作品に興味を持ってもらえたら嬉しいし、観たよ〜!って人は軽率にリプライを飛ばしてほしい。

 

『MIDNIGHT MASS』超楽しみ!!!!!!!!!!!

※2021年2月19日に加筆修正しました※

30DayFilmChallenge

初めましての方もこんにちは。

藍住と申します。

普段はTwitterやFilmarksで映画の感想を投げているのですが学生時代に無我夢中でブログに長文を投げていたあの頃が懐かしくなり、急遽ブログに戻ってきました。

一周回ってからの一からスタート。

限界知らずの真っ白い記事の編集ページ、めちゃくちゃ高まる……!!

やっぱり私の原点はここなんだなと実感しております。

 

以下の文は別の場所で公開していたものですが、最初の記事ということで、自己紹介も兼ねてこちらに改めてあげることにしました。

宜しくお願い致します。

 

 

 

以下、転載。

 

 

 

先日Twitterで細々とやっていた30DayFilmChallengeを完走しまして、ツイートを呟くよりも全部ひとまとめにしたい!!という一心で加筆修正してまとめた次第であります。

映画の話をするのって本当に楽しい〜!!
折角色々振り返りながらやったんだし、少し加筆修正してブログとかに残しておくのもいいかもな!?と閃いたので、早速やってみます。
めちゃくちゃ長くなっちゃったけど、良ければ最後までお付き合い下さい。(画像お借りしました!)

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1.自分の覚えている中で初めて観た映画

これ、覚えている人いる……!?!?
私はどれだけ考えてもまっっっっったく思い出せなかったので、取り敢えず母に聞いてみた。
「うーん……ポケモンとかじゃない?」と言われて『ミュウツーの逆襲』の公開年を調べてみたら1998年。
映画館で観たのはポケモンかもしれないけど、それよりも前に自宅で映画を観ていたよな……と思って、今でも記憶がある4作品を挙げることにしました。

多分この中のどれかが人生で一番最初に観た映画です。

 

ターミネーター
子供の頃に観たせいか、めちゃくちゃ怖かった……今観ても十分怖いんだけども。
あのどこまでも無表情で追って来る所が怖いんだよね。幼い時の私はシュワちゃん=怖いというイメージのまま数年経過し、その後またもやテレビ放送された2作目を観て見事にやられたところまでがセット。

 

『キャスパー』
もう記憶が朧気なんだけど、キャスパーが主人公の子供と模型の汽車で遊んだりして心を通わせるシーンがとても好きだったっけ。

(手と手を合わせようとするシーンとかあったよね?)観て心が温かくなったのは覚えている。

 

プレデター2
何故か1作目を観た記憶がない!この前観たけど覚えていないから、もしかしたら1作目を観ないで2作目を観ちゃったのかもしれないな。

人間がプレデターに狩られて全裸でぶら下げられている所が本当に怖い。

というか、そんな血だらけで全裸の人間が出てくる映画を見せるなよって話なんですけど。

 

ダイ・ハード
今でも大好き!!

野沢那智の吹き替えバージョン!!

ジョン・マクレーンという男はぶつぶつ文句を垂れながらタンクトップでテロリスト達に立ち向かう刑事なんだけど、そのぶつぶつ文句垂れる所が野沢那智の声とよく合うので……今なら普通にテレビ吹替バージョンのソフトが手に入る時代なので観てほしい。
クリスマス映画を選ぶとしたら『ラブ・アクチュアリー』か『ダイ・ハード』か、大体毎年迷っちゃう。

 

 

2.自分の名前の最初の文字から始まる映画

アイアムアヒーロー
これを映画館で観たおかげで日本の映画への信頼も上がってもう少し積極的に邦画も観ようかな~と思ったし、ゾンビ映画もホラー映画もまとめて大丈夫になったというある意味縁を結んでくれた映画。
大泉洋長澤まさみが大絶賛されていたけど、個人的には片瀬那奈の怪演が凄すぎるので、是非注目してもらいたい。
いや、あのシーンは本当に凄い。
あんまり言うとネタバレニなるのでこれ以上言わないけどとにかく凄いんですよ!!

観れば分かる!!!!!!

ちなみに彼女が出てくるのは序盤です。

 

 

3.タイトルが5文字以上の映画

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒:BIRDS OF PREY』

タイトルが5文字以上……ニュアンスが難しい。
取り敢えず、この映画の原題が『Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)』と超長かったので多分大丈夫だろうと思って選んだ。(安直)
ハーレイ・クインのアクションシーンが今とても恋しい~!!
彼女は確かにヒーローではないけれど、こんな犯罪者にまみれて混沌とした世界でも「子供は大人である私達が絶対守る!」の姿勢を貫いているところが本当に安心できる。
同じ目的のために集まって協力し合ってさっさと解散する清々しさも、今考えると大好きな要素の一つだな。

 

 

4.タイトルに数字が入る映画

マグニフィセント・セブン

もう大好き!!!!!(クソでか声)
私は予告で見事にやられて映画館に行ったら人生変わった。
登場人物達がとにかく魅力的で、彼らの生き様が今でも目に焼き付いている。
それにしてもこの豪華なキャストで皆んな仲良しで面白くて、これって奇跡以外の何ものでもないじゃんね!?
考えてみれば海外版のBlu-rayを初めて取り寄せたのも、違う種類のBlu-rayを揃えたのもこの映画が初めて。
それくらいこの映画に熱中していて、公開終了までの3ヶ月間は永遠のようで一瞬で、素晴らしい時間だった。

昔の映画を現代版にリメイクするってこういうことだよ!!!!!!!

 

 

5.自分の憧れの職業に就いているキャラクターが登場する映画

『フリーダムライターズ』
「先生」という職業は私にとって永遠の憧れ。
この映画を観ると今でも「先生」として頑張っている人達を本当に尊敬しています。
少し昔の話をすると、私は大学卒業後の1年間、非常勤講師をやっていた。
その1年間が忙しすぎたのと(非常勤講師が持てる限界のコマ数を抱えていた)、次の日の授業が気になって納得するまで準備をしていないと不安になってしまう性質なので、寝る時間以外は常に仕事のことを考えて精神が不安定になり、おまけに不眠に悩まされて一瞬で身体を壊して「先生」という職業を断念したという過去がある。
だから今でもこういう映画を観ると羨ましくてしょうがない。
こういう人に出逢えたら人生変わるよなあ、と泣きながら観ることが多くて、この映画もそうだった。
自分で考えて書くことは世界を広げる。
それを知らなかった子供達に「こうしてみたら?」って導いてあげるエリン先生が優しくて、格好良くて、素敵だ〜!!
教師と生徒の映画は沢山あるけど、この映画は本当に完成度が高い。
最近は「先生」という仕事をキッパリ諦めることができたので、自分が前向きになりたい時に観るようにしている。

 

 

6.お気に入りのアニメーション映画

スパイダーマン:スパイダーバース』
画面いっぱいに広がる美しい映像とキレッキレのアクション、端から端まで愛の溢れたネタと演出、魅力的なキャラクター、もう全てが大好き!!
初めて観た時、もう興奮しっぱなしだった。
アニメーション作品はいっぱい観てきた方だと思うけど、どの作品よりもずっと新しく、ずっと身近な物語だったのが嬉しかった。
誰にでもヒーローになれる。
君はひとりじゃない。
真っ直ぐなメッセージに胸を打たれて毎度毎度涙で画面が滲む。
英語吹き替えも日本語吹き替え、どちらも素晴らしいのも良いよね。

 

 

7.何度観ても飽きない映画

インセプション
面白すぎて公開から10年経った今でも一番繰り返し観てるかもしれない。
映画館でこれを観て衝撃を受けたから今の私が居るので、多分私の中で転換期だったな。
いや、もうこれ本当に面白いとしか言いようがなくない?????
未だにこれ以上に面白いSFアクションを観たことない……。

いやもしかしたら今秋公開の『TENET/テネット』がこれを上回るかもしれないけど、現時点でこの映画が私の中で一番面白い映画の位置づけになっている。

Twitterでは何度か譫言を投げているんだけど、私は「自分の得意なこと1つを武器に仕事をしている人間が仕事のために集まって、終わったら離散する」という軽さが大大大好きで、この映画はどこまでも完璧。
インセプション』、歳を重ねただけ映画から拾えるものが多くなるというか、新しい発見があるから文字通り何回観ても飽きるなんてことがない。
そのうちキャラクターの老後とか考え始めるから、見てて。(もうやってるだろ)
この映画が公開されてから10年経つのか……。

10年!?!?!?

 

 

8.サウンドトラックが好きな映画

ダークナイトライジング』
テーマ曲は勿論のこと、あの刻みと掛け声が好きなんだよね……。

ディシディシバサバサって言ってるの……分かります?

 

『グランドブダペストホテル』
あのスキップするような細かい音が好き。

サントラ聴いただけでも面白くてもう笑っちゃう。

 

『アド・アストラ』
ブラピが最後の報告をした後に流れるあれでもう駄目。

嗚咽してしまう。

 

蜜蜂と遠雷
4人のピアニストの奏でる楽曲の聴き比べが楽しい!!

同じ音楽でも弾く人によってこんなに変わってくるんだな!!って生まれて初めて思った。

 

最近よく聴くのはこの辺り。
少し前まではハンス・ジマーの作る音楽が好きだなあと思っていたけど、最近は好きな作曲家が少しずつ増えてきて嬉しい。

マイブームはマックス・リヒター。

 

 

9.評判はいいけど自分は苦手って言う映画

『聖なる鹿殺し』
『ロブスター』を観てなんだこの世界観は????ってなって『聖なる鹿殺し』も観て、やべえランティモス監督合わねえかもしれないと思ったものの、『女王陛下のお気に入り』では「お!?」と思った印象があったので……。

もう少し色々観てみないとわからないな。
でも未だにこの映画を観返そうとは思わない。

 

ファイトクラブ
単純にこの映画のブラッド・ピットは好きじゃない。

それだけ。

というか、私は『セブン』のブラッド・ピットが好きなので特に刺さらなかった。
エドワード・ノートンは本当に演技が上手い。

 

ドント・ブリーズ
怖いという感情よりも盲目の老人の倫理観が狂いまくってて拒絶反応が出た。

いや、無理でしょ……。

観た後、口直しするために別の映画を観た。
(因みに観た映画は『ローグ・ワン』で、観た後終電逃しそうで、でも感想も言いたくて、チアルートやばいやばい言いながら走って駅に向かった)

続編の方向転換ぶりが気持ち悪すぎて制作されてもいないのにもう信頼できない。

 

アベンジャーズ/エンドゲーム』
MCU10年間の集大成がそれでいいんか?
2019年のヒーロー映画でまさかメインキャストの誰かを死なせて引退させる方法を取るなんて思いもしなかった。

引退して後継者にバトンタッチするのももう古いと思うけど、死なせるのは駄目でしょ……。
アイアンマンやナターシャが居るから地獄の毎日をなんとか生きられる人が世の中には大勢いると思うんですけど。

 

苦手の定義が結構難しくて迷いに迷った。
まあ強いて言うなら特に刺さらなかったor無理だったor納得できなかった、になるのかな。
他にもいっぱいあるけど最近だとこの4作品。

 

 

10.お気に入りのスーパーヒーロー映画

ブラックパンサー
最初観た時は「陛下格好いい……!」で終わっていたけど、最近は解像度がちょっとだけ上がって、もうこの映画無しでは生きていけなくなった。
私が迷ったとき道を照らしてくれる星そのもの。
一生大事にしたい。

 

キャプテン・マーベル
キャロル~!大好き!自分の力を開放してもいいんだ!って両手広げて敵をどんどんぶっ飛ばしていく所が最高。
あの幼年期~今のキャロルが立ち上がるシーンで毎度毎度泣いてしまう。
ブリー・ラーソンキャプテン・マーベルで本当に良かった。

 

ワンダーウーマン
人々が制止を促す中、それでも「行く」と振り切って道を切り開いていくダイアナが大好き。

ワンダーウーマンのテーマ曲バックにスローモーションで魅せるアクションシーンが最高すぎて今でも泣いてしまう。
序盤のアクションシーンも良いよね。

 

『シャザム!』
DC映画は固定概念をどんどん解体していく姿勢が最高。
(この映画で言うと家族=血の繋がりを重視する姿勢)
そしてこの映画では色々な人種、そして痩せてる人、太ってる人、ストレートヘアの人、パーマの人、歯並びが悪い人、眼鏡をかけている人、足を引きずっている人、世の中と同じように皆いる。

そこが最高。

 

ダークナイト』三部作
私の中のアメコミ映画の定義を変えてくれた大事な映画。
勿論、当時のことを考えると「これはちょっとな~」と思う所はそれなりにあるけど、2012年のヒーロー映画の最終作でヒーローを死なせずにバトンタッチしてくれて有難うの気持ちが強い。

 

マーベル映画でもDC映画でも好きなヒーローは色々いるけど、どっちかって言うとDC派。
特にダークナイト三部作はこの数年間ずっと胸の真ん中にいる。

 

 

11.一番好きじゃないジャンルの好きな映画

『あなたの名前を呼べたなら』
私は嫌いじゃないし観ないわけじゃないけど、強いて言うなら恋愛ものが苦手。
誰かと恋人になるために一生懸命になったりする人を観るのは好きだ。

でも、私が身体的接触(キスからそれ以上の行為)を全く必要としない生活を送っているせいか、そういうシーンがあると観ていてとても気まずくて、映画に集中できなくなってしまう。

(興味のないものを突然見せられるような感覚と言ったら伝わりますかね)
でも、そんな私の心でもめちゃくちゃに揺さぶってくれた特別な映画。
なにからなにまで完璧だけど、邦題まで完璧な映画は近年では珍しい。
この長い邦題が腑に落ちた瞬間には絶対にあったかい気持ちでエンドロールを迎えてるはず。

 

恋愛映画が苦手とはいうものの数は観ていて、実は『恋は雨上がりのように』、『ビューティーインサイド』、『心と体』、『静かな雨』の4作品とめちゃくちゃ接戦だった。
どれもそれぞれいい映画なので、観たらぜひ私に連絡ください。

 

 

2.好きなジャンルの苦手な映画

『ブライト』
アクションでファンタジーでクライムサスペンス映画!!
私の好きなジャンルてんこ盛りのはずなのに全部が本当に無理。
最近一生観ねえからな!?!?と思ったのはぶっちぎりでこれ。
この監督、『フューリー』の時も大分無理だったんだけど、いよいよこの映画で倫理観どうなってんだ……!?という結論に至った。
これも同じ。いや、無理でしょ……。

 

 

13.深く考えさせてくれる映画

『ブラック・クランズマン』
とても面白くて、でも同じくらい怖くて、エンドロールの後頭をぶん殴られたような気持ちになった。
こんなに現実と密接してる映画を映画館で観たのは初めてで、画面から滲み出る怒りのパワーに圧倒されたのを覚えている。
この映画が賞レースで作品賞を獲れなかったこと、そして受賞したのが『グリーンブック』であったことをずっと考えていたし、今も考えている。
今もどこかで誰かが、無関心でいることによって誰かを殺している。
その現実を受け止めなければならない。
映画の中から飛び出してもっと世界を見ると決めたのはこの映画がきっかけ。
もっと国内外の歴史も政治も勉強しないと駄目なんだなと思ったし、どんなジャンルの映画であれ、映画を良い悪い好き嫌い面白い面白くないで消費するのを辞めようとも思った。
この映画、何がすごいって映画はあそこで終わるけど、問題なんて何一つ解決してなくて、なんにも終わってちゃいないところだ。
ほっとしたのも束の間、現実に強く結びつく。
その分かりやすい例があの賞レースの結果だと思う。
これからも過去と今と未来のことを考える度に、私はこの映画を観るだろう。

 

 

14.観ると鬱々とした気分になる映画

ウトヤ島722日』
私にはもうこの映画を一生観ることができない。
息が苦しくて、見えないテロリストの影と銃声の音に怯えて、映画館でこのまま発狂してしまうんじゃないかと思った。
画面で見知らぬ人達があっという間に死んでゆく。
これのなにが辛いって私は映画を観た後家に帰って心を落ち着けることができるけど、このテロに巻き込まれた人達は誰かは既にこの世に居なくて、誰かは傷を抱えて世界を生きているってことだ。
私の恐怖なんて現実と比べたらちっぽけで、擬似体験と言うことなんて絶対にできない。
無防備な子供たちが淡々と死んでゆく。
未来が奪われてゆく。
私にはそれが耐えられない。

救いのない映画は本当に辛い。

何故ならそういう感情を吐露する時、私は確実に映画の中で傷つけられている人達とは全く別の場所からその映画を観ているからだ。

映画を観ることによって、自分の持つ特権を行使している。

 

 

15.幸せな気分になる映画

『神様メール』
現実もこの映画のような世界だったらいいのに……!!
そう願わずにはいられない、ウルトラハッピーな映画。
あのカラフルで美しい、そしてエモーショナルなラストシーンは言葉にできない。
観ればわかるぞ!!!!!!!
観てね!!!!!!!

 

 

16.自分にとって思い入れのある映画

『タレンタイム〜優しい歌〜』
諸事情によりソフト化できないマレーシア映画。
当時映画館で泣きすぎて目を腫らしてしまったのだけれど、それは決して悲しみからくるものではない。
優しくて、あったかくて、前向きな映画。
マレーシアには高校の修学旅行の時に訪れたことがある。
その当時の記憶を映画を観ていて思い出したんだよね。
湿気が多くて、蒸し暑い日が1年中続くマレーシアの空気を。
多民族国家だからこそ、色々な人間が共存していて、勿論もそこから生じる問題もあるんだけど、皆んなが助け合っている。
優しさがある。
私が見たことのあるマレーシアがそのまま画面に映し出されていて一瞬で愛おしさが溢れてしまった。
タレンタイム、忘れられないよ。

 

 

17.続編のある映画

クリード
これも映画館で目が腫れ上がるくらい爆泣きした映画。(泣きすぎじゃね?)
完璧な新章で完璧な続編だった。
ロッキーが年老いて病と戦う姿を見て、一緒に戦おうって言うアドニスが大好き。
ロッキーの1作目と同じあの階段で、今度は2人で支えあいながら立つ後ろ姿は本当に名シーンだよね……。
因みに、『クリード/炎の宿敵』も素晴らしかったので、私はどっちの映画も好き。

 

 

18.お気に入りの俳優が主演の映画

『ロープ/戦場の生命線』
私は『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』を観てから気が狂ったようにベニシオ・デル・トロが好きで譫言のように「ベニシオさんやばい……」としか言えないタイプのファンなんだけど、主演映画の中では群を抜いてこれが好き……。
なんだろう、この映画の「色々なことを諦めながらも、世界を生きている」演技が本当に素晴らしいと思うんだよね……。
色々なことを諦めてはいるんだけど、仕事は嫌いじゃないし、同僚とジョーク言ったり笑ったりするし、なんかそういう誰にでもある光景を魅力的に、そして上手く足し算引き算してる演技が愛おしくてしょうがない。
後、色々な言語が飛び交ってるのも大好き。
ベニシオさんは英語とスペイン語を喋ってる。

 

最近ベニシオ・デル・トロは『ボーダーライン』シリーズが代表作になりつつあるけど、主演映画だったらチェ・ゲバラ二部作も良い。
(ロープはだらしなさと可愛さが素敵だけど、こっちはひたすら格好良い)
これは全編スペイン語
ハリウッド映画で英語を喋らずに主演も助演も演技できて光輝いてる俳優はなかなか居ないよ。

 

 

19.お気に入りの監督の映画

悲しみが乾くまで
世界でだった一人の友人を亡くした薬物中毒者の男と夫を亡くした女(亡くなったのは2人の共通の大事な人)が悲しみと向き合うために一緒に暮らすっていう話なんだけど、出てくる人皆んな優しい。
悲しみを共有しながら手探りでどうにかしようとして、上手くいかなくて自分や他人を傷つけたりしてしまうんだけれど、大丈夫だよって言って丸ごと抱き締めてくれる映画だと思う。
スサンネ・ビア監督の映画って、人と人との触れ合いから行き着く変化の後を描くのがとにかく上手い。

そして社会から見放された人間をちゃんと描く監督だから信頼できる。
この映画のあのラストカットは今からすれば私は好きではないけれど(社会における弱者には救いがあるラストで終わってほしいので)、あの表情はベニシオ・デル・トロにしかできないというのもよくわかるので、好きと嫌いが多分半々。

是非それも見届けて下さい。

 

 

20.あなたの人生を変えた映画

判決、ふたつの希望
差別や偏見が一向に無くならない世界で、それでも人間には変わる可能性があると肯定してくれる映画。
過去の罪を背負って生きる人達が共存していくには対話と理解しようとする双方の努力が必要で、それは非常に長い道のりなんだけど、いつかきっと違う方向を向いている人間と人間が手を取り合って、隣に立って笑い合う日が来ることもある。
人間という生き物の可能性をもう少し信じてみてもいいのかもしれないな、とあの日私の中でなにかが変わったのは間違いない。
この映画の熱量に圧倒されて、映画館を出た後レンタルショップと本屋に駆け込んだ。

ヘイトスピーチ言論の自由なのか?の答えがこの映画の中にある。

 

 

21.あなたを居眠りさせた映画

『ザ・マミー』
トム・クルーズの映画でも眠くなるんだな……と思った。
頑張って起きようとしてヘドバンして隣の人に申し訳なかったな……と思ったことしか覚えていない。
最近好きになった俳優が出ていると知ったので、観ようかな~とは思っている。

 

『ナイブズアウト』
これか自分のコンディションが悪すぎて開始5分で寝た。
途中で目が覚めたものの、犯人を知りたくなくて二度寝をするということを初めてしました。

最近観返したんだけど、めちゃくちゃ面白いな!?
エリオット警部補が好きです……。

 

『サンセット』
サウルの息子』で衝撃を受けて楽しみにして、わざわざ1時間半かけて映画館に行ったのに寝ちゃった映画。
今非英語圏の映画が観たいテンションなので、そろそろ観返したい。

 

2001年宇宙の旅』
この日のために観ないようにしていたのに、序盤の有名な音楽の心地よさに負けて最後までしっかり寝た映画。
どうしてコンディションが悪い時にこういう映画をチョイスしてしまうんだ私は!?!?と思いました。

 

うたた寝ではなく、がっつり寝ちゃう私です。

 

 

22.あなたを怒らせた映画

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『グリーンブック』
映画自体は面白いし大好きだけど、実在の人物におめえなにしてくれとんのじゃ墓の前で謝って来いや!と何度でも怒りたい二大巨頭はこれ。

特に前者は最近までダメなところもあるけど好きな映画で、普通にファンだったんだけど、スパイク・リー監督の映画や黒人のドキュメンタリー映画を観たら芋づる式に駄目になった。

こうやって好きな映画が苦手になって最終的に観られなくなるのは悲しい。

でも仕方がない。
どちらもエンタメ作品としては上手くできているほうだと思うけど、それ以前に有色人種は白人のおもちゃじゃないんですよ。

 

 

23.もうこの世にいない監督の映画

東京物語
大学の授業で見せられて衝撃を受けまくった映画。
観れば分かるけど、本当に凄いんですよ。
海外の映画監督がこの時代の日本の映画が好きなのわかる。
戦後の日本の映画監督たちはそれぞれ個性が強くて、斬新で、とにかく力がある。
小津安二郎の映画もそう。
この映画から漂う独特な雰囲気は、戦後10年経ってない時代だからこそ撮れた唯一の寂しさだと私は思う。
原節子が素敵なんだけど、笠智衆も最高。

 

 

24.映画館で観たかった映画

『ハーフ・オブ・イット:面白いのはここから』
こんなに素晴らしい現代の青春映画なのに、Netflix限定なの本当に勿体ない!!
見逃した〜!!って嘆く映画は多いけど、見逃す以前に映画館でやってなくてしょんぼりする映画は多分これが初めて。
この映画のメインキャラクター達が一緒に時間を過ごすうちに成長していく姿が本当に眩しくて大好き。
エリーが差別的な発言を投げられて無視するシーンに遭遇した時のポールのアンサーに私は顔をくっちゃくちゃにして泣いてしまったのだ。
当たり前の反応を映画で示してくれることの力強さよ。
ポールはエリーと仲良くなっていくうちにどんどん変わっていくんだけど、エリーがゲイだと知って自分なりにネットで調べてみたりだとか、エリーの父親と一緒に台所に立つところとか、エリーの家にお邪魔して3人でテレビに釘付けになったりとか、とにかく大好きなシーンが多すぎる。
エリーは最初ポールのことを全然相手にしないけど、代筆を頼まれるうちにちょっとずつ知っていってちゃんと向き合おうってなるところが良いよね。
エリーとポール、アスターの3人の関係性の変化とあの優しい未来のあるラストも全部好き。
大好き。

 

 

25.好きだけど今の時代にそぐわない映画

フットルース
これは今の時代に観るものじゃないな〜って思う映画を好きになることがあまりなくて、全然思いつかなかったんだけど、強いて言うならこれかな。
当たり前だけどアメリカの高校ってこんなに白人だらけなのか?って今観るとめちゃくちゃ引っかかる。
いや、製作年から考えるとこれが当たり前だった時代だからしょうがないんだけども。
というか、この年代の映画はキャスティングでいつも引っかかるし、好きが振り切れることがないんだけど、この映画は別。
OPが最高過ぎる。
ケヴィン・ベーコンのダンスえぐいからスタントシーンも含めて皆んな観てよ~!!
ケヴィン・ベーコンが次から次へと喧嘩ふっかけられまくるの面白すぎるんだけど、それよりもダンスできないことの方が彼にとっては辛いことで、そういうのも全部引っくるめてうるせえ~~~~~!!!!!!!ってフラストレーション爆発させて踊るところが最高〜〜〜〜〜!!!!!!!!
元気になれちゃう。
この映画自体が生きる活力!!!!!!
最近ケヴィン・ベーコントーク番組?でウン十年ぶりに『フットルース』ネタのダンスやってたのも最高なので探してみてね。

 

 

26.原作のある映画

『キッチン』
普段あんまり言ったことがないんだけど、私は吉本ばななが好きでして。
中でも『TUGUMI』の次くらいに『キッチン』が好きで、ウキウキしながらこの映画を観たら衝撃で色々吹っ飛んだ大学時代。
何が衝撃かってメインキャストの棒読み具合。
いやもう本当に凄いので是非観てほしいんだけど、この映画の真骨頂は棒読みしまくるメインの男女が吉本ばななの台詞を言わされているところ。

浮きに浮きまくってて今観ると変な汗をかくくらい本当にやばいんだけど、なんか嫌いになれなくて、しかもそこで橋爪功が安定した演技できっちり映画の雰囲気をまとめてるから変な化学変化起こしてる所が奇跡で最高。
美味しそうにカツ丼食べてる所(でも台詞が棒読みすぎて全然美味しそうに聞こえない)とか大好きすぎるんだよね……。
本当に分からないんだけど、好き。
ゼミで論文書くためにわざわざソフトを買ったんだけど、手放せないでいる。

 

 

27.映像が印象的な映画

『バベル』
ロッコアメリカ、メキシコ、それぞれの国の空気感がとても好きなんだけど、何よりイニャリトゥ監督の撮る渋谷が素晴らしすぎるので是非観て欲しい……。
外国人の撮る日本って同じ場所でも全然雰囲気が違うんだけど、この映画の渋谷はいつも見てる渋谷に一番近い気がしたんだよね。
観ていて「この空気感を知ってる!」って思ったのを覚えている。
日本パート、撮影許可が下りなくてゲリラ撮影して警察に追いかけられたとか裏話(全然笑えません)があるけど、ザラついた渋谷の映像と菊池凛子の剥き出しの演技がマッチしててめちゃくちゃ圧倒されたんたよね……。
そしてそれに反比例する形で役所広司の抑えた演技がまた素晴らしい。
というか、イニャリトゥ監督の撮る役所広司は最高すぎるから皆んな観てくれ頼む~~~~!!!!!!!
某監督のせいですっかりコメディ要素と極端なお芝居の印象が頭にあってどうかな〜と思ったんだけど、最高だった。
こういう演技をハリウッド映画でどんどんやって欲しい。
彼の横顔が忘れられない。
後、最近映画でメキシコを撮る時に画面の色を加工しがちだよね〜って指摘をされるのを最近見るけど、メキシコ人であるイニャリトゥ監督の撮るメキシコは近年見かけるような加工が無いので、当たり前だけど観ていて安心できるものがある。
そこも注目して欲しい。
印象が全然違うから。

 

 

28.居心地が悪くなる映画

『ラストレター』
『天気の子』
『最初の晩餐』
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』
『空の青さを知る人よ』
君の名は。
『劇場版シティハンター
サマーウォーズ

近年の映画で言うとこの辺。

無理すぎてひとつずつ感想も指摘もできませんが、敢えて言うならこの映画の監督達は一体何時代を生きてんの???????
正気か??????????って映画館で苦痛を感じて精神が錯乱しそうになった。
本当に全部無理。
無理な点挙げたら余裕で論文が書けちゃうね。

 

 

29.恋がしたくなる映画
センセイ君主
少女漫画が原作で先生と生徒の恋愛なので、これはアウトだと思うところも勿論あるんだけど、さまるんの気持ちを否定しないこの映画が好き。
こんな風に誰かを好きになって「誰が好きなの!?私はねー、あの人!!」って友達とギャーギャー騒いだり、ボンババボンしてみたかったな~!!
さまるんが一生懸命に恋しててどんどん素敵になっていく所が大好き。

 

 

30.終わり方が気に入っている映画
インターステラー
世の中にはここで終わるから最高なんだ!!とスタンディングオベーションしたくなる映画があって、私はその瞬間に出逢うために映画を観てるんだけど、不動のトップにいる映画はやっぱりこれ。
あれだけ壮大な宇宙の話をして愛に帰結する所も、あのラストシーンも、全部の要素が希望の物語につながっていく所が大好き。
ああ、私はこの映画のラストシーンを観るために、この映画に出逢うために生まれたんだな……って思った。
勿論、アメリアの呆然とした表情がとても辛いんだけど、その前に映るクーパーの生命力溢れるラストカットを私達は知っているので……。
ラストシーンの後に流れるエンドロールを見つめる客席の空気感も、映画館が明るくなった後、一緒に観た友人と「やば、やばくない……!?」って興奮して席を立てなかったことも、鮮明に覚えている。
めちゃくちゃ余談だけど、夜空と交差する森の映画祭2019(年に1回開催される野外映画祭)で『インターステラー』を一緒に観た友人と星空の下で観たのがまた素晴らしかったんですよ……。

 

めちゃくちゃ長くなるとは思ったけど、本当に本当に長くなってしまった!
こんなに長々とパソコンで小説じゃない文章を書いたのは卒論以来です。
やっぱり映画の話はしても尽きないのが楽しい。
これからもいっぱい映画を観て、いっぱい語りたいです。
ここまで読んで下さって有難う御座いました!!

 

 

 

 

2020.11.19追記

追記まで読んで下さって有難う御座います。

これをまとめた時からなんだかんだ言って時間が経ちました。

大好きな『ブラック・パンサー』の主演を務めたチャドウィック・ボーズマンさんがこの世から居なくなり、コロナ禍で何とか『TENET/テネット』が公開されてジョン・デイヴィット・ワシントンを更に好きになったり、アメリカで大統領選挙があって眠れない日々を過ごしたり、数か月しか経っていないはずなのに世界って本当に日々変化をしているんだな~と思います。

私はといえば、年始に仕事をやめることが決まったり、気まぐれでradio talkを始めてみたり、それなりに色々ありました。

あ、このブログを始めたことを変化のひとつになりますね。

長文が書きたい。

何かを残したい。

そんな時にパソコンの画面に向かうことにします。

マイペースに末永く続けていきたいです。

 

三度の飯より映画と本が大好き!!!!!!!!!!!

今後とも宜しくお願い致します。